画像は重慶市紅十字会提供 |
5月9日、重慶にある西南大学で英語の教師をしていたオーストラリア人男性のフィリップ・アンデレ・ハンコックさん(27)が糖尿病が原因で亡くなった。そして、肝臓や腎臓、角膜などが5人の中国人に提供された。フィリップさんは「特別な形」で中国で生き続けるのだ。中国で臓器を提供した外国人はフィリップさんで7人目。重慶市では初めてだ。北京青年報が報じた。
フィリップさんは中国で暮らして4-5年になり、遺伝的素因から、ずっと糖尿病に悩まされていた。現地メディアの報道によると、フィリップさんの容体が悪化して以降、在中国オーストラリア総領事館と西南大学の通訳者のサポートの下、フィリップさんの両親が中国の臓器提供に関する法律、政策、提供の方法などについて詳しく調べ、角膜、肝臓、腎臓、心臓、肺などを他の人の命を救うために提供する意思を書面で表示した。
フィリップさんに英語を1年学んだという李青さん(仮名)は、音楽という共通の趣味があったため、教師と生徒という関係を超えて友人になったという。李さんによると、フィリップさんは生活をとても楽しみ、中国の民俗文化に特に関心があったという。そして、中国にいた4-5年の間、英語の教師をしながら、中国のいろんな所に旅行に行っていたという。フィリップさんの微信(WeChat)のモーメンツを見ると、中国各地に旅行に行った時に撮影した画像を見ることができ、中国語の説明もある。中には、中国古代の兵士の鎧を着て白い馬に乗っている、とてもクールな画像もある。
フィリップさんのモーメンツへの投稿はしばらく途絶えていたものの、5月31日に新しい投稿があった。しかし、その投稿の内容は英語で、「私はフィリップの母親です。フィリップは1型糖尿病の合併症を発症し、5月9日に亡くなりました。5月1日からずっと意識不明の状態でした」という訃報だった。
移植手術受けた患者は順調に回復
現地メディアの報道によると、フィリップさんの2つの腎臓は30代の女性と40代の男性に提供され、肝臓は40代の男性に提供された。肝臓の移植手術を受けた男性はすでに集中治療室から一般病棟に移っており、容態は安定しているという。腎臓の移植手術を受けた患者2人も今のところ拒絶反応はなく、ベッドから降りて動けるほど回復しているという。角膜の移植手術を受けた患者2人はすでに退院し、視力が回復したという。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年6月15日
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