消えた老舗たちの失敗の原因はさまざまだ。経済体制や運営メカニズムの制約を受けて、市場の求めるところからずれていった老舗。都市の改善プロセスで立地のいい店舗を失った老舗。かつての経験に固執し、現代の技術や市場経済の衝撃をよけきれなかった老舗。人材が流出して、後継者がいなくなった老舗。知的財産権の保護に力を入れていなかった老舗。無計画な拡大路線を突き進んだ老舗など、いろいろある。
老舗企業の責任者は、「老舗は新しい技術、新しい市場、新しい消費者に直面し、昔からの味を保たなければならないが、新しい時代にも適応しなければならない」と嘆く。
インターネット技術の発展は、かつては老舗を恐れさせたが、実際には千載一遇のチャンスをもたらしたといえる。たとえば90後(1990年代生まれ)の劉さんは、「老舗ブランドは影響力が大きく、技術は確かで、ブランドのたどってきた時間が長く、商品の品質も保証されている」と話す。このように消費者の信頼を得れば、老舗の経営モデルの転換とバージョンアップは、一般のブランドよりもかなり容易だといえる。
ブランドに詳しい中国国家ブランドネットの尹傑編集長は、「老舗企業の多くは自前でサイトを構築したり、ECプラットフォームに出店したりして、オンライン受注、ネット予約・店舗引き取り、宅配などさまざまなサービスを提供し、老舗の商品のオンラインでの宣伝普及と販売に乗り出して、若いファンを大勢獲得している」と説明する。
阿里巴巴(アリババ)集団市場広告委員会の趙智明氏は天猫(Tmall)プラットフォームでの業績を紹介し、「商務部が認定した中華老字号の過半数が天猫に出店している。2017年には天猫での消費者が前年比170%増加し、売上高も同190%増加した。ECを通じて、一部の老舗は海外にも販路を広げ、世界ブランドへと発展した」と話す。
国も支援に力を入れる。同部流通業発展司関連部門の責任者は、「2017年初めに、商務部は国家発展改革委員会、文化部、国家工商行政管理総局など16部門と共同で『老舗の改革革新発展の促進に関する指導意見』を下達した。伝承と革新、経営ネットワークの保護強化、知的財産権改革の推進という老舗の3大任務を推進し、老舗文化を称揚し、老舗の発展環境を持続的に最適化し、老舗の自主革新の活力を発揚するなどの要求を打ち出した」と説明する。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年6月5日
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