2018 FIFAワールドカップロシア大会が6月14日に開幕する。6月から8月はもともと、ロシア旅行のピークシーズンであることから、今年の「W杯の旅」はさらに盛り上がりを見せている。統計データによると、ブラジルで開催された2014年の大会には、延べ640万人の外国人観光客が訪れ、外国人観光客数は前年比10.6%増加した。銭江晩報が伝えた。
オンライン旅行サイト大手各社によると、W杯ツアーの予約はいまや終盤に入っており、某旅行サイトで売り出されたW杯ツアーの旅行代金は、最高85万元(1元は約17.4円)に達した。
〇「FAN ID」とW杯入場券でノービザ入国可能
競技場に近いホテルは、「一室でも予約困難」
ロシア連邦政府は3月に、6月4日から7月25日まで、W杯観戦のためにロシアを訪れる外国人観光客を対象としたノービザ政策を実施することを明らかにした。観光客は、個人情報が記載されている「FAN ID」(実物版あるいは電子版)とW杯入場券または入場券所持証明書を所持していれば、ビザ免除でロシアへの入国が認められる。ノービザでの入国できる期限はW杯初戦の10日前まで、出国期限は最終戦の10日後までとなっている。
携程旅行網によると、すでに多数の観光客がW杯開催期間中のロシア向けパックツアーやフリー旅行商品を申し込んでおり、そのスケジュールにW杯観戦が組み込まれている。また、今年のW杯開催中、モスクワやサンクトペテルブルグなど主要都市に向かう航空券の予約量が約5割増加しており、ホテルの客室予約も厳しい状況となっている。このうち12の試合会場周辺にある人気のホテルは、わずか一室でも予約が困難であることから、W杯開催中を避けた「時差」旅行を選ぶ旅客も少なくない。携程旅遊のビッグデータによると、ロシアツアーの出発を8月にした旅客の増加率は、すでに35%を上回っている。
旅行サイト「Lvmama.com」海外旅行事業部の担当者は、「ロシアは2年ほど前から、中国人観光客の海外旅行先としてダークホース的な存在だった。昨年、弊社サイトを利用してロシアに旅行した人(延べ人数)は、前年比150%増加した。今年1月から7月までのロシア旅行予約者数は、前年同期比約5割増加している。W杯の集客力は決して侮れない」とコメントしている。
〇ツアー価格、最高で一人あたり85万元
参加者の約6割が女性客
現地でW杯を観戦したい客層のトップは、どの種類の人々なのだろうかという疑問に対し、「Lvmama.com」海外旅行担当者は、「問い合わせと予約を行う客を見ると、熱烈なサッカーファンが中心で、80後(1980年代生まれ)の割合が高い。地域別にみると、北京・上海・広東の客が多い。テーマツアーの代金は比較的高いことから、中・高所得者層が多い。一般的なサッカーファン、あるいは価格を重視する客をターゲットとして、優待ポイントが多いツアーを売り出す国内の旅行会社も少なくない」と話した。
では、W杯を観に行くためには、どれくらいの予算が必要なのだろうかみてみると、今大会の入場券とツアー代金は、数千元から数万元までさまざまだが、最も高い決勝戦の入場券価格は、約6万元となっている。
携程のサイトを見ると、ロシアW杯ツアー予約の最高価格は、実店舗で販売されたもので、最高85万元、福建省厦門(アモイ)で申し込まれた予約だった。
ロシアW杯を観に行く客は、どの都市の住民が最も多いのだろうかという点について、携程旅遊のビッグデータをみてみると、W杯開催中にロシアを訪れる旅客は、上海と北京の住民が最も多く、成都が第3位。第4位から第10位は、順に、広州、重慶、昆明、深セン、厦門(アモイ)、貴陽、蘇州となっている。注目すべきは、携程「当地玩楽」プラットフォームで予約した旅客のうち、女性客が57%を占めたことだ。業界関係者は、「この理由として、中国の女性サッカーファンの数が極めて多いことが挙げられる。また、ロシア旅行に出る中国人は、男性より女性が多いことも理由の一つだろう」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年5月22日
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