11日の参議院本会議で「国際観光旅客税」という名の新税を導入する法案が可決された。来年から、日本から出国する旅客は、日本人・外国人に関わらず、1人あたり1000円の出国税を徴収される。日本政府は、観光資源の改善のために新税を導入すると説明しているが、世間ではもっぱら、「国家財政の赤字解消が本当の目的ではないか」と囁かれている。環球時報が伝えた。
共同通信社の報道によると、日本政府は、「東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに、日本を訪れる外国人観光客を延べ4千万人に増やす」という目標を掲げており、新税は、目標達成に向けた観光業の振興に充てる計画という。新税の用途は、▽快適な旅行と環境の整備、▽体験型観光に対する満足度の引き上げ、▽日本の魅力PRの強化、という3方面に的を絞っている。出国税の税収は、年間430億円に達すると見込まれている。新税は、地価税法が1992年に施行されて以来、日本政府が新たに徴収を決めた国税となる。日本民進党や共産党など野党は、新税導入に反対の姿勢を示しており、入国税に対する政府の予測・効果に具体的な指標が設けられておらず、税収の用途も明らかではないことから、浪費される可能性が高いと主張している。
日本のSNSでは、「新税導入は、東京五輪の財源不足から、形を変えた税徴収ではないか?」といった議論が浮上しており、「政府はいかにももっともらしい言い訳をつけて旅客に負担を負わせるべきではない」という声が上がっている。あるネットユーザーは、「原油価格の上昇による影響に比べると、出国税の税額そのものはたいしたことはない。新税が導入されても、海外に行かない人は行かないし、頻繁に行く人はやはり行くだろう」と投稿した。また、「来年、新税の徴収が始まる前に、今年は海外旅行ラッシュが起こるかもしれない」と冗談交じりの意見もある。さらに、「出国税導入後も、政府はまた別の新税を打ち出すかもしれない」と心配する人もいる。あるネットユーザーは、「海外に出る時でさえ税金が徴収されるのであれば、この次は、携帯電話税や電子書籍税といった類も登場するのでは?ただ増税するだけでは、経済は崩壊してしまう」と警告を発しているほか、「日本で就労する外国人や留学生については、出国税徴収の対象外とすべき」との意見も出ている。
日本の旅行会社は、「日本を訪れる観光客がより多くの税負担を強いられるならば、日本も彼らに対してより良いサービスを提供しなければならない。政府は、新税による財源を、空港や周辺道路および自然環境の整備などの旅客サービスに充てるべきだ。旅行業関係者は、税収が観光業以外のところに流れてしまうことを心配している」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年4月13日
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