微博(ウェイボー)にこのほど、中国のドラマで旧日本軍の兵士役としてよく登場するほか、中国人の女性と結婚したことで有名な俳優・矢野浩二について、「数年前に出演した日本のバラエティー番組で、中国で生活している時に見たペットをめぐる飼い主のマナー違反に言及し、『中国人にペットを飼う資格はない』と、怒りを込めて発言していた」という書き込みがあった。中国青年報が報じた。(文:楊■宇、■は品の口が金)
このような書き込みが議論を呼んだことは、中国と日本の民族感情と関係があり、ネットユーザーたちも様々な反応を示している。ただ、以前なら非常に感情的なコメントが寄せられることが多かったものの、今回は、ほとんどのネットユーザーが理性的な姿勢を見せ、すぐに「抗日」とはなっていない。まず、ネットユーザーらは、「矢野浩二はずっと中国人の味方で、中国人女性の夫であるため、中国を第二の故郷と見ている。彼のパフォーマンスからも、日本が戦争という罪を反省するという点で寄与していることが反映されている。彼のテレビ番組での中国人のイヌの飼い方をめぐる発言は、ちょっと感情的かもしれないが、嘘ではない。ペットを飼っている人のマナー向上が確かに望まれている。その発言は決して『中国侮辱』ではない」との見方を示している。
これまでずっと、国の尊厳を傷付けられたり、中国人が侮辱されたりした時は、ネット上でも現実世界でも、中国人が絶対に引き下がらないという態度を示し続けてきたことは称賛の価値がある。しかし、このような愛国心や民族感情は、時には利用されたり、挑発を受けたりして、人を極端な考えに走らせ、悪い結果を招くこともある。
これまで、何の罪もない外国人芸能人が、「中国を侮辱した」と勘違いされ、大バッシングを受け、そのファンまでもが攻撃の対象になってしまうという悲しいケースもあった。また、中国人が購入した日本車が破壊されたり、その持ち主が暴力を振るわれるというケースまであった。このようなトラブルは本来は美しいはずの民族感情の価値を下げ、愛国者のイメージも傷付け、社会の共通の認識にもひびを入れている。そのため、多くの人が、「理性的に愛国心を示し、民族感情を平和的に表現するべき。人々の民族感情を利用しようとする人に唆されてはいけない」と呼びかけている。今回の矢野浩二の発言をめぐる反応を見ると、多くの人が確かに一層理性的になっており、民族感情を利用されないようになっていることが分かり、安心させられる。
近代以降、中華民族は屈辱や侮辱を何度も受け、それらの歴史が確かに中国人の心の中の大きな傷となっている。それらの屈辱・侮辱は心に銘記して、自分を奮起させるための材料にすることができる。しかし、中華民族はすでに屈辱の歴史から脱出し、強大になり始めている。
中国人は、すぐに「中国が侮辱された」と勘違いするような、ナイーブな「ガラスのハート」を持つべきではない。批判などには、自信を持って、オープンで、抱擁力ある態度で対処し、理性的、かつ効果的にそれらに立ち向かわなければならない。そして、外国人にへつらったり、外国人を憎んだりしてはならず、平等で、平和な気持ちで中国国内外の全ての人、物事に対応してこそ、大国、強国のあるべき姿、姿勢を示すことができる。今回の多くのネットユーザーの反応は、多くの人が感情をコントロールする点で進歩し、理性的で包容力があるようになっていることを示している。これは本当にうれしいことだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年12月8日
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