世界初の商用型水素燃料ハイブリッド100%低床路面電車が26日、河北省唐山市の唐胥鉄道で乗客を乗せて運行されることになった。この電車は中国中車股フン有限公司(略称:CRRC、フンは人べんに分)の唐山子公司によって開発され、世界初の水素燃料電池路面電車の商業運転となり、中国が新エネルギーの軌道交通分野における重大な成果を上げたことを意味している。
クリーンエネルギーの開発・利用において、世界の主流である水素燃料電池技術は水素と酸素の化学反応によって電気を作ることができ、電気エネルギー効率が高い、騒音が少ない、有害排出ガスがゼロといったメリットがある。発電反応ための最高温度は100℃以下で、窒素酸化物は発生せず、排出するのは水のみ。
4年間の努力を積み重ね、CRRCの唐山子公司は燃料電池/スーパーコンデンサハイブリッドのけん引とコントロールなどの一連の核心技術の研究開発に世界で初めて成功した。同社が開発した路面電車はパンタグラフと架線を必要とせず、同分野の空白を埋めた。
唐胥鉄道は136年という長い歴史がある。唐山市は近代化工業を特色とした観光産業の発展を進め、「中国鉄道の起点」や「歴史ある工業基地」などの魅力を生かし、唐山南駅、開欒国家鉱山公園、啓新1889工業パーク及び南湖スポットからなる「中国鉄道の源流」と呼ばれる3本の鉄道を「唐山工業の旅」として打ち出した。同ルートは水素燃料電池路面電車を導入し、架線の架設や給電用レールの敷設、電気スタンドが不要であるため、唐胥鉄道の本来の姿が完全に保護されるようになったという。列車は世界最先端の100%低床技術を使い、客室床面と地面までの距離はわずか35センチなので、プラットホームは不要となる。また、最小回転半径がわずか19メートルなので、既存の道路に沿って軌道の敷設が可能だ。ルートは全長13.84キロで、路面電車は1回の水素補給をわずか15分で完了させ、連続走行距離40キロを最高時速70キロで走行する。
水素燃料ハイブリッド路面電車は3両編成で、66の座席が設けられ、乗客定員が336人としている。また、ニーズに合わせて車両と定員数の増加も可能だ。この電車は最高時速で持続的に走行できるだけでなく、制御や到着の際に、燃料電池と制御エネルギー回収システムによってスーパー電気容量とバッテリーを充電し、エネルギー回収率が30%以上に達したという。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年10月30日
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