2016年度国家科学技術奨励大会が9日午前、北京の人民大会堂で開催された。
同大会では国家最高科学技術賞、国家自然科学賞、国家技術発明賞、国家科学技術進歩賞、国際科学技術協力賞の5つの大賞の授賞結果を発表した。趙忠賢氏と屠■■氏(トゥ・ヨウヨウ、■は口へんに幼)が2016年度国家最高科学技術賞を共に受賞した。
国家最高科学技術賞は現代の最先端科学技術の重要な発展、もしくは科学技術のイノベーションや科学技術成果の転化していく過程で、巨大経済または社会利益を生み出した傑出した科学者を称えるという、中国の科学技術界で最高に栄誉ある賞だ。同賞は2000年の設立以来、今までに27人の科学者が受賞しており、受賞者には賞金500万元(約8360万円)が授与される。
2016年度受賞者
趙忠賢
1941年、遼寧省新民市生まれ。中国の高温超伝導研究の基礎を確立したうちの一人であり、高温超伝導研究に約40年以上関わり続けている。
1987年に第三世界科学院物理学賞を受賞し、1989年に「液体窒素温区酸化物超伝導体の発見」で国家自然科学賞グループ一等賞(ランキング1位)を獲得した。また、2013年には「40K(マイナス233度)以上の鉄系高温超伝導体の発見及びいくつかの基本物理の性質に関する研究」で自然科学賞一等賞を獲得した。
屠■■(トゥ・ヨウヨウ、■は口へんに幼)
1930年、浙江省寧波市生まれ。中国医薬の古書から発想を得て、カワラニンジン(青蒿)から抽出した物質を使う民間療法に切り替え、カワラニンジンから低温で抗マラリア性のある部分を抽出する方法を確立し、アーテミシニンの重要性を発見した。
屠氏とその団体はカワラニンジンに含まれる抗マラリア性のある部分から、抗マラリア性の効果がある純物質「アーテミシニン」を一番最初に抽出した。また、国家薬品新規定に基づき、アーテミシニンの開発は、中国で新薬の承認審査方法を実施して以来、初となる新薬採用例となった。
屠氏とその団体は中国及び海外の重要な賞をいくつも獲得している。1979年に「抗マラリア新薬・アーテミシニン」が国家発明賞二等賞、2011年に米国のラスカー・ドゥベーキー臨床医学研究賞、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。
なお、女性科学者が国家最高科学技術賞を獲得したのは今回が初となった。(編集YK)
「人民網日本語版」2017年1月10日
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