四川省広安市隣水県豊禾高校の教職員宿舎で、劉銀中さんは、携帯電話に顔をくっつけるようにして、「4時14分」という現在時刻を確認した。それは2時間目がもうすぐ終了するころだった。劉さんは宿舎を出て、数十メートル離れた授業棟の3階にある3年4組の教室に向かった。劉さんはこのクラスの数学を担当している。成都商報が伝えた。
寮から教室までの距離は近いが、劉さんにとって、移動は一苦労だ。彼は16年前、眼科疾患を患った。2007年に病気が悪化すると、右目の視力は完全に失われ、残る左目もわずかな光を感じられる程度の視力だ。学校側は本人に、病気休暇取得するか、配置換えをするという提案をしたが、彼はそれを望まなかった。その理由は、教員として仕事を続ければ、職能給として毎月数百元多く報酬が得られることが一つ。二つ目は、彼が「自分にはまだ存在価値が残っていることを証明したい」と希望したことだ。
「2007年以降、教科書の字がはっきり見えなくなった」と劉さんは語った。幸い、それまでの教学経験のおかげで、教科書に書かれている知識や内容は十分に把握していた。時には、劉さんが授業で取り上げる教科書の内容を小学生の息子に読み上げてもらう。また、自分の生徒にも読むのを手伝ってもらうこともある。その後、自分の頭の中だけで授業準備を行い、教室での授業に臨むという。
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