「五牛図」の牛をテーマに作られた文化クリエイティブグッズ「銅の牛」
明朝と清朝の皇宮である故宮に設立された故宮博物院には、非常に美しく洗練された25種類の文化財約180万点(セット)が収蔵されている。しかし、これら文化財は自然災害や時代の移り変わりにより、中には深刻な損傷を受けてぼろぼろになってしまったものもある。どのようにして文化財を「治療」し、当時の輝きを取り戻して、尊厳ある形で生き続けられるようにしているのだろうか。その秘密は故宮博物院の「文化財病院」にある。同院の「医師」らの手によって、文化財は再び生気を取り戻している。光明日報が報じた。
「文化財の病院」とは、文化財保護科学技術部のことで、故宮博物院西側の庭に位置する。遊覧エリアが連日大勢の観光客でにぎわっているのに比べると、そこはとても静かだ。ここでは危機に瀕した文化財が「医師」たちの救助を待っている。
文化財保護科学技術部は主に、故宮院が所蔵している各種文化財の保護研究や修復、複製などを行っている。約半世紀の間に張択端の「清明上河図」、韓滉の「五牛図」、顧■中(■は門がまえに厷)の「韓熙載夜宴図」など、数多くの国宝級文化財の緊急修復作業を行った。
文化財の修復は技術が必要となる仕事だが、職人としての技術だけでなく、忍耐力や意思の強さなども試される。中華民族が有する「匠の精神」が発揮される分野でもある。例えば、約13平方メートルの巨大な絵が粉々になり、バラバラに山積みにされていたのを修復する場合、それを1つ1つつなぎ合わせるのがどれほど大変な作業かということは想像がつくだろう。職人が毎日ピンセットを使って小さな破片をつまみ、その図案や色、形などをたよりに、時間をかけてパズルのように組み立てていく。あまりに大変な作業であるため、少しでも組み立てることができると、チーム全体が喜びに包まれる。
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