世界保健機関(WHO)はこのほど、中国人の10人に1人が糖尿病であると発表した。また、北京で最近開催された「中国心血管疾患予防・抑制行動計画セミナー」では、専門家が、「中国では、心血管病、腫瘍、糖尿病、呼吸器疾患の4つの慢性疾患が、死因の86.6%を占めており、慢性疾患が深刻な問題になっている」と指摘した。人民日報が報じた。
北京大学第一病院の郭暁▼教授(▼は草かんむりに恵)によると、中国は名実ともに「世界一の糖尿病大国で、実際には糖尿病だけでなく、中国では近年、慢性疾患の患者が急速に増加している」だという。また中国工程院院士で中華予防医学会の王■徳会長(■はおおざとに龍)は「脳心血管病、悪性腫瘍などの慢性疾患がもたらす疾病負荷は、疾病負荷全体の70%近くを占めており、慢性疾患の予防・治療が急務」と指摘した。
慢性疾患は後遺症が残りやすく仕事や生活の質に影響
専門家によると、慢性疾患は主に、心血管疾患(心臓発作や脳卒中など)、腫瘍、慢性呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患やぜんそくなど)、糖尿病の4つの分野に分けられる。慢性疾患は、脳や心臓、腎臓など重要な臓器に害をもたらすため、後遺症が残りやすく、労働能力や生活の質に悪影響を及ぼすほか、医療費も非常に高額になる。
最近発表された「中国の住民の栄養・慢性疾患状況報告(2015年)」の統計によると、12年、中国全土では、18歳以上の大人の25.2%が高血圧で、9.7%が糖尿。02年と比べると、その割合が上昇の一途をたどっている。40歳以上を見ると、9.9%が慢性閉塞性肺疾患を患っている。また、13年の全国腫瘍登録結果を分析すると、中国のガンの罹患率は235/10万。うち、男性に最も多いのが肺ガンで、女性に最も多いのは乳ガンだった。ここ10年、中国のガン罹患は上昇の一途をたどっている。脳心血管病、ガン、慢性呼吸器疾患が主な死因で、全体の79.4%を占めている。うち、脳心血管病の死亡率は271.8/10万、ガンの死亡率は144.3/10万(上位5位は、肺ガン、肝臓ガン、胃ガン、食道ガン、大腸ガン)、慢性呼吸器疾患の死亡率が68/10万だった。
統計によると、中国で慢性疾患と診断されている患者は約3億人。その半分の慢性疾病負荷が65歳以下のグループにかかっている。
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