この他にも、多くの国と異なり、中国の各級政府の負債は主に投資に充てられている。「そのため、巨額の債務と対応し、中国の地方政府は大量の優良資産を有しており、それら資産が今後の返済において信頼できる保障になる。そして、中国で債務危機が発生する可能性を大きく下げる」と語った。
債務問題をどう処理するか?
このほど、中国の銀行業の不良債権率が上昇し、債券市場で、契約違反を犯す企業も現れている。この点について、李氏は、「債務問題のコアとなるのは、不良資産を処理すること。本質的には、過去の急速な成長が残した『実体を伴わない部分』を取り除くこと。不良資産とは、実体経済においては過剰生産能力や多すぎる在庫に当たるので、そのバランスを取ることと、生産能力や在庫を抑えることは密接な関係がある」との見方を示した。
そして、「中国企業の債務は主に、国有企業のものであるため、債務問題の処理と国有企業の改革には密接な関係がある。債務問題の処理は、中国の市場化と法制化の構築とも密接な関係がある。M&A、再編、債務の株式化などの方法を通じて、合法であることを前提に、市場化の手段を十分に活用して進めるべきで、1枚の文書で解決できるものではない」とした。
また「債務問題を解決するためには、不良資産の解決や国有企業の改革、金融機構の改革など、さまざまな角度から考慮しなければならない。財政当局や金融監督・管理当局、発展改革委員会、銀行などが、各自の力で解決できるものではなく、共に協力して努力し、過去数十年の高度成長期に蓄積された問題を解決することで、今後の発展のために良い基礎を作らなければならない」と強調した。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年6月16日