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ユンディ・リー、日本で「オール・ショパン・リサイタル」 聴衆魅了

人民網日本語版 2016年06月12日14:35

7日の公演を終えてインタビューを受けるユンディ・リー7日の公演を終えてNHKのインタビューを受けるユンディ・リーインタビュー会場で撮影する人民網記者ユンディ・リー日本公演ポスター公演後ユンディ・リーを見送るファンら会場で聴衆にインタビューをするNHK記者
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世界的に有名なピアニスト、ユンディ・リー(李雲迪)が7日夜、東京芸術劇場(東京都豊島区)コンサートホールで「オール・ショパン・リサイタル」を開催し、「ピアノ王子」は非の打ち所のない完璧な演奏を披露、日本の音楽ファンから鳴り止まぬ拍手が送られ、公演は無事に成功した。人民網が伝えた。

高いピアノスキルに聴衆感服

7日に開かれた東京での公演は、「ユンディ・リー日本公演2016」の6ヶ所目であった。今年の日本公演は2週間かけて全9ヶ所で行われ、5月29日に石川県に始まり、すでに北海道、茨城、愛知、大阪での公演を成功させ、9日から最終日の12日までには広島、新潟、埼玉と続く。

7日、ユンディ・リーはショパンのバラード全4曲と24のプレリュードを披露、さらに聴衆の鳴り止まぬアンコールの拍手に応え、中国民謡「彩雲追月」等を加えて披露した。ユンディ・リーの日本での人気は非常に高く、かつての日本公演同様、7日の東京芸術劇場での公演もほぼ満席となった。公演後にはNHKの独占インタビューに応じ、夜10時に会場を離れる際には多くの日本人ファンが見送りに詰め掛けた。

ユンディ・リーは2000年、弱冠18歳にしてショパン国際ピアノコンクールにおいて歴代最年少優勝を果たしており、中国人として初めてその大賞に輝いた人物でもある。翌2001年には日本を訪れ、同コンクール後初の海外公演を成功させるとともに、その並外れたピアノスキルで日本の聴衆を感服させた。2012年からの数年間は毎年日本で各種公演を開催しており、日本はユンディ・リーにとって海外公演最多国となり、多くのファンがいる。

巨大な宝庫―ショパン作品

ユンディ・リーは欧州、北米、そして今回の日本公演以外にも、今年7月には中国国内の北京、上海、南京、深セン等6都市での公演も控えているが、テーマはいずれもショパン。彼にとってショパンは特別な意義をもつのだ。今年5月に北京で人民網のインタビューに応じた際に彼は、「ショパンのどのシリーズも作品数は非常に多く、日本で演奏するバラード全4曲と24のプレリュードはショパン作品の中でも非常に重要な二大作品である」と紹介している。「24のプレリュード」はショパン音楽の集大成で、難易度が高く、その一方で芸術的レベルの最も深いショパン作品だとユンディ・リーは考える。

ユンディ・リーにとってショパンは巨大な宝庫であり、彼のショパンへの理解も絶えず深まりをみせている。彼はインタビューにおいて、「同じ作品であっても、その時その時で作品に対する感情や理解が異なる」と述べている。10年来、ユンディ・リーはショパンのソナタ、ポロネーズ、幻想曲、そして今回のバラードと24のプレリュードといった作品を演奏してきたが、今後も他の作品に挑戦する可能性があり、演奏するたびに彼のスキルは高まりをみせ、ショパンへの理解は深まり続けることだろう。

海外公演でのアンコールに応える際はいつも中国民謡を選ぶ。今回の東京公演でも広東省の民謡「彩雲追月」を披露した。数年前には中国民謡アルバムも発表しており、「民族的なものは世界的なものでもある」と述べている。ショパンの音楽もまたポーランドの民族音楽であり、「マズルカ」や「ポロネーズ」などいずれも民間の芸術要素を源とする民族の特色ある音楽の代表で、世界各国で愛されている。「中国にもこれほど多くの民族の特色ある曲があり、『彩雲追月』も中国の伝統文化を代表する曲だ」と語る。

中国音楽を広めるともに、ユンディ・リーは海外で暮らす華人にも心を配っている。「海外で家族同様の祖国の同胞、とりわけ音楽ファンが会場を訪れてくれることは、私にとって最も大きな励みとなり、故郷のことを懐かしく思い出す。そんな想いで祖国の音楽を公演するときには特別な幸せを感じることができる」と語る。

巨大な潜在力をもつ中国音楽

ユンディ・リーの音楽界での成功の歩みは、中国の古典音楽の発展をある程度推し進めたということができるだろう。彼の活動がより多くの中国人の耳に中国古典音楽の音色を届け、少しずつ理解を促しているのだ。北京や上海といった一線都市での公演以外にも、彼は二線都市さらには三線都市でも精力的に活動している。「古典音楽はメジャーな音楽ではないかもしれないが、だからといって決して劣った音楽ということはなく、時間をかけて少しずつ理解していく必要がある。古典音楽は文化の代表であり、白話文のように簡単に理解できるものではないかもしれないが、シェイクスピアの作品と同じように、関連の知識がなければ理解することが難しい」と語る。古典音楽を味わうにはそれなりの勉強が必要で、初級から少しずつ掘り下げて初めて噛み締めることができ、「この過程もまたある種の体験であり楽しみでもある」という。

彼は過去2年間に中国の大小多くの都市を訪れ、昨年だけでも20から30都市を巡って演奏してきた。聴衆も様々で、北京や上海、広州といった大都市では古典音楽の教養のある人が多く、二三線都市では若者や子供が多いという。「どの段階の聴衆であろうと、私は感動を覚える。これだけ多くの中国人が古典音楽に耳を傾け、この文化を理解しようとしている。長い目でみるとそれだけも素晴らしいことだ」と続ける。

ユンディ・リーにとって、中国音楽の発展は日進月歩する街の姿そのものであり、この10数年の間にも大きな変化が起きているという。「中国には、現在30余の都市に一流のコンサートホールがあり、多くの人が音楽を学び聴こうとしている。以前は想像できなかったことだ。西洋諸国と比べれば、中国音楽の基盤はまだまだ脆弱だが、その潜在力は非常に大きい」とし、「中国には5000から6000万人のピアニストの卵がおり、この数は欧州諸国の人口総数に匹敵する。これは中国が文化の発展を渇望している証拠であり、音楽と知識を求めている証拠である」と例を挙げながら語った。

ユンディ・リーはこれまでにCD15枚とピアノ曲全集1枚を発表している。その非凡の知識と演奏力で世界各国の聴衆の古典音楽への理解を深めている。ショパン国際ピアノコンクール入賞から16年目を迎えた彼だが、引き続き古典音楽の推進と伝統継承の上に活躍してくれることを祈りたい。(編集MI)

「人民網日本語版」2016年6月12日

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