毎年、さまざまな機関から「大学ランキング」が発表されている。一流大学を測る基準は、学術論文の発表数、特許の出願件数だけでなく、高等教育の質、研究の独創性、国際性なども非常に重要だ。「世界の一流大学とは何か?」をめぐって、「2016年中日大学フォーラム」が6日、中国科学院学術会堂で開催された。中国科学院大学、清華大学、中国科学技術大学、浙江大学、西安交通大学、哈爾濱(ハルビン)工業大学など中国の12大学と、東京大学、京都大学、早稲田大学など日本の12大学の学長が出席した。
フォーラムの開幕にあたり、中国科学院副院長で、中国科学院大学の学長である丁仲礼氏と、科学技術振興機構(JST)の濵口道成理事長がそれぞれ挨拶を述べた。
丁学長はまず、半世紀にわたる中日両国の教育交流を振り返り、中国科学院の郭沫若・元院長の詩を引用し、「一衣帯水・一葦可航(いずれもきわめて近接しているたとえ)」の関係にある中日両国の平和的発展と協力・交流の重要性を訴えるとともに、「両国の教育界の関係者が積極的な役割を果たし、試練を乗り越え、共に発展し、中日両国の教育と文化交流に新たな活力を注入することを望む」と述べた。
濵口理事長は「日本では今年、第5期科学技術基本計画が始動され、科学技術の革新を通じて世界的なエネルギー・食糧・気候問題の解決を目指す。この中で、基礎研究や人材の育成で重要な役割を担うのが大学だ。中日大学フォーラムは今や、両国の一流大学が教育理念と学校運営の経験を共有する重要なイベントとなった。今回のフォーラムを通じて両国の大学間交流がさらに拡大し、大学が使命をより良く果たせるようになることを望む」と述べた。
フォーラムではこのほか、中国科学技術大学の万立駿学長、東北大学の里見進総長がそれぞれ基調講演を行い、JSTの沖村憲樹特別顧問と、中国国家留学基金委員会の張寧・副秘書長がそれぞれ日本の「さくらサイエンスプログラム」と中国の国費留学生派遣状況について紹介した。
午後にはパネルディスカッションが行われ、中日両国の大学学長が、教育と研究の両立、世界一流の大学の建設、グローバル人材の育成などの課題について議論し、交流した。
「中日大学フォーラム」は「中日大学フェア&フォーラム in CHINA 2016」の重要な一部分で、2015年中国政府友誼賞および中国国際科学技術協力賞の受賞者であるJSTの沖村憲樹特別顧問の提唱により、中日両国の大学間で持ち回りで開催されている大規模な教育交流イベントだ。2010年に始まった同イベントは今や、両国の教育交流・協力の重要なプラットフォームに発展し、中日両国政府からも高く評価されている。
このほか、7日と8日には北京全国農業展覧館新館で、10日には山東省済南万達凱悦酒店でそれぞれ「中日大学フェア」が開かれる。JST、お茶の水女子大学、北海道大学、立命館大学、早稲田大学(北京会場のみ)など30余りの日本の大学と科学研究機関がブースを設けるほか、留学セミナーを開き、日本留学に興味がある学生たちに大学の情報や留学関連情報を提供する。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年5月7日