2016年春夏パリコレクションの出展デザイナー名簿がこのほど発表された。中国系デザイナー・殷亦晴氏の名前もその中にあった。彼女の作品がパリ・オートクチュール・コレクションの舞台に登場するのは、今回で9回目となる。数年前から、数多くの中国系デザイナーが国際デザイン界で頭角を現すようになり、デザイン界でも「中国テイスト」の風が吹き始めた。人民日報海外版が報じた。
以前、カナダに住む1990年代生まれの中国系デザイナー・楊さんの作品が、ライアソン大学アパレルデザイン科の卒業記念ショーに登場、会場全体を驚きの渦に巻き込んだ。その時に発表された楊さんの作品は、マーメイドラインのイブニングドレスだった。トップのデザインにはチャイナドレスの襟やボタンが施され、スカートの部分は欧米ではやりのスリムなマーメイドラインだった。彼女は、「西洋のアウトラインと東洋のスピリット」なるデザインコンセプトを打ちだし、牡丹の花や刺繡などを好む中国テイストが、この作品に十分に盛り込まれていた。「私は作品を通じて、『デザインのグローバル化』という考え方を表現したかった。デザインのインスピレーションがグローバルな視点から生じただけではなく、材料もグローバル性を備えている。これこそ、本当の『文化の融合』といえよう」と彼女はコメントした。
中国系デザイナーが持ち込む「中国テイスト」は、ファッション業界に限らない。中国系の建築デザイナー季裕棠氏は、小さいころからデザイン芸術に興味を持っていた。彼が設立したデザインオフィスは、インターコンチネンタル・ジュネーブやローズウッド・ロンドンなどのホテル建設プロジェクトに関わった。