IT大手テンセントの運営するネットメディア「騰訊財経」は10日、ロボットが自動的に作成した記事を掲載した。記事は読みやすい文章で、確かなデータを揃えており、わずか1分間で作成された。テンセントがロボットで記事を書き始めれば、記者が食い扶持を失うのではないかと多くの人が心配し始めている。京華時報が伝えた。
ロボットが作成したこの記事の見出しは「8月のCPIが2%上昇、12ヶ月ぶりの伸び率に」。記事は国家統計局や銀河証券などのデータの分析と予測を記載しており、メディアの記者が作成する原稿と変わりなかった。このロボットの名前は「ドリームライター」で、騰訊財経が開発を担当。計算法に基づき真っ先に記事を自動作成し、瞬時に分析と判断を行い、重要な情報と解説を1分以内にユーザーに送信する。関係者は、「これはテンセントの記事自動作成の模索の一歩目で、将来的に多くの短い原稿がロボットの協力により作成される。財政・経済関連ニュースは毎日大量の経済データ、例えば企業の財務報告書や貸付などを取り扱う。ロボットは迅速にデータを収集・分析できる」と指摘した。
しかし業界内では、ロボットは今のところ情報を伝える原稿しか作成できず、深みのある、人物をテーマとした記事などは記者の比にならないとされている。例えば上述した余秋梅氏は女性であるが、文中では「彼女」ではなく「彼」とされていた。
ロボットには他にも、超高速の計算・検索能力がある。そのため1分間で1000字以上の記事を作成できる。この面では、記者に勝ち目はない。両手でタイプする速度はパソコンに及ばず、さらに取材の時間も加味しなければならないからだ。記者の強みは現場にある。「8月のCPIが前年同月比で2%上昇」これは一般人にとってあいまいな概念であるが、「トマトと卵の炒めものが1元高くなった」と言えば通俗的で分かりやすい。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年9月11日