胡同と呼ばれる古い路地の街並みが残り、700年以上の歴史を誇る北京の「南鑼鼓巷」は、最近では、無形文化遺産の分野と正式に連携している。14日、観光客でにぎわう南鑼鼓巷にある、黒をバッグに金色で「北京財神」と書かれた看板を掲げ、戸の枠が赤の漆で仕上げられた「無形文化遺産体験拠点」が異彩を放っていた。南鑼商会の徐岩会長によると、同拠点は彫漆、蒙鑲、泥塑、臉譜などの北京の無形文化遺産継承者15人によって設立された。人民日報海外版が報じた。
徐会長は取材に対して、「ここに来る人は皆、伝統文化が好きな人。われわれは場所や芸術品、指導者などを用意し、ここで、見学や学習ができるようにしてある。1階には、無形文化遺産の大講堂もあり、市民は無料で入場できる」と話した。
徐会長によると、大講堂以外に、1階には北京の歴史と関係のある物品を展示する大工博物館があり、見学できる。館長を務める阿竜は、「無形文化遺産というと、祖先が残してくれた素晴らしいものと考えている。僕の家族も5世代にわたって約300年間、南鑼鼓巷の近くで生活している。ここの全てに思い入れがある。ここの根を残し、文化を発信するというのが願い」と語る。
「南鑼鼓巷は高い人気を誇る観光地で、首都の窓口、北京の名刺になるべきだ。無形文化遺産の継承者が誰もここにいなければ、残念なことになる。現在の15人のほか、11人の無形文化遺産継承者も来る予定。天津や河北省の無形文化遺産継承者にも来てもらい、文化の分野で北京、天津、河北省の一体化を推進したい」と徐会長。
「人民網日本語版」2015年8月19日