世界中で大ヒットを記録し、無数の人々を感動させた3DCG版「STAND BY ME ドラえもん」が今月28日に中国全土で公開される。配給会社は、ドラえもんの声に子供番組の司会者として有名な「金亀子」こと劉純燕氏を迎え、名作「ドラえもん」をスクリーンに再現させた。予告編を見た人々は、「予告編を見る限り、号泣映画かも」という感想を口にしている。最近、80後(80年代生まれ)から00後(2000年生まれ)の世代に対し「ドラえもん」に関する調査を行った。数世代にわたる中国人の目に映る「ドラえもん」の姿がどんなものなのかを一緒に見てみよう。人民網が伝えた。
■80後(80年代生まれ):ドラえもんは1980年代に幼年時代を過ごした子供たちの共通記憶
主人公ののび太は、家を出れば犬に噛まれ、授業を受ければ罰で立たされ、道を歩けば電信柱にぶつかり、野球をやればジャイアンに殴られ、テストを受ければ基本的に0点……いつもドラえもんやしずかちゃんといった良い友達の力を借りて願い事を叶える。お前はダメな奴だと罵りながらも、いいアイデアでトラブルを解決してくれるのは、この世界では母親を除けばドラえもんしかいない。ドラえもんは80後の集合的記憶である。ドラえもんや「ひみつの道具」について友人と語り合った時に、友人から一番欲しいものは何?と聞かれたことがある。その時、僕は、「1番の願いは子供時代に戻ること」と答えた。世界に対する好奇心や期待に溢れ、あまり多くの失望や疲れもなく、両親からの愛情をたっぷりと受けていた頃。しつけられることも一種の幸福だった。(重慶在住、80年後)
■90後(90年代生まれ):「ドラえもん」を見るために、父親と知恵比べをした
初めて「ドラえもん」を見たのが、1998年だったのか、あるいは1999年のことだったのか、今ではもう思い出せない。しかし、8、9歳の子供が初めて不思議な力を持つドラえもんやポケットから次々と出てくる奇想天外な「ひみつの道具」を見た時、どれだけ夢中になり、どれだけ憧れたのか、恐らく、みんな想像することができるだろう。あの頃、ドラえもんのアニメは午前10時頃に放送されていた。母親は会社務めで、父親は小学校の教師をしていた。授業がない日、父親は突然急に家に戻ってきて、まずはご飯の用意をし、その後私が勉強をしているかどうかを監視した。非常にはっきりと覚えているのは、ドラえもんをこっそり見るために、父親と知恵や勇気比べをしたことだ。テレビの音を非常に小さくして、耳をそばだてて廊下の動静をうかがった。父親の咳や耳慣れた足音が聞こえてくると、すぐにテレビを消し、机の上に本を並べ、必死に勉強しているふりをした。(ハルビン在住、90年後)
■00後(2000年代生まれ) 奇想天外な「ひみつの道具」の中で一番欲しかったのは、「アンキパン」
ひみつの道具の中で、1つだけ選べるとしたら1番欲しい道具は何だろうか?タケコプター、どこでもドア、タイムマシン、あべこべクリーム、たつまきラッパなど、数ある「ひみつの道具」の中で、1つだけ選ぶとしたら「アンキパン」だ。パンの表面に本のページを押し付けて、それを食べれば、その内容を全部暗記することができる。(北京在住、90年後)
映画「STAND BY ME ドラえもん」は、製作者側から観客に向けて、あまりにも多くの思いが込められている。我々は鑑賞するのにふさわしい時期にこの映画が登場したことに感謝したい。この映画は、大人になった視線で小さい頃の憧れの世界を見る機会を与えてくれると同時に、成長した後に忘れてしまった自分を取り戻させてくれる。こんなにも強く、美しく、夢に溢れ、将来の自分に対してこんなにも期待していた自分…これこそが我々の本当の真実の姿のはずだ。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年5月21日