日本の民間団体「村山談話を継承し発展させる会」(以下「村山談話の会」)訪中団が11日に南京に到着し、南京大虐殺記念館を見学した。代表複数は見学後「衝撃を受けた」として、南京大虐殺を否定する人は記念館を見学すべきだと述べた。中国新聞網が伝えた。
南京大虐殺記念館は開館から30年間で日本の首相経験者3人が見学している。村山富市氏、海部俊樹氏、鳩山由紀夫氏だ。同日訪れた「村山談話の会」は、まさに村山富市氏が1995年8月15日に発表した「村山談話」から名前を取っている。
「われわれの訪問は、歴史の正義が続いていることを示すとともに、村山談話の精神を守るためでもある」と鎌倉孝夫団長は語った。
第2次大戦終結50年の際に発表された村山談話は「日本の植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」と指摘した。だが第2次大戦終結70年の今年、安倍晋三首相は年初に「安倍談話」では「植民地支配」「侵略」といった村山談話のキーワードをそのまま用いることはないと表明した。
これは中日友好関係者に懸念を引き起こし、「村山談話の会」の今回の訪中にもつながった。「われわれは深く憂慮し、心配してもいる。近く発表される安倍談話の内容は日本と周辺国にマイナスの影響を生む」と鎌倉氏は語った。
南京大虐殺記念館の石碑前で団員らは献花、黙祷、読経した。記念館内では虐殺、百人斬り、強姦など日本軍の犯罪行為の多くの写真、実物、発掘された遺骨などを見た。少なからぬ史料は日本の従軍記者や元中国侵略兵によるものだ。
団員の浪寿見子氏は見学時涙を流し「子どもや女性の遺体(の写真)を見て、涙をこらえきれなかった。帰国後は学習会を催し、ここで見聞きしたことを伝える」と語った。
鎌倉氏は「戦争はなんと愚かで恐ろしいことか。こうした日本兵は元は善良な人だったのだろうが、戦場の『檻』に入るや悪魔、野獣、殺人狂に変わった。再び戦争を起こしては絶対にならない!」と述べた。
鎌倉氏はドイツのメルケル首相が訪問先の日本で「歴史を直視する必要性」に繰り返し言及したことに注目。日本も同様の姿勢を取り、隣国と良好な関係を再構築し、和解を実現することへの希望を表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年3月12日