ILCプロジェクト 日本が誘致に意欲的
中国科学技術部のウェブサイトは西日本新聞の記事を引用し、「福岡と佐賀の両県は現在、国際リニアコライダー(ILC)の誘致を進めている」と報じた。人民網が伝えた。
ILCは国際熱核融合実験炉(ITER)計画に続く、人類の新たな大規模国際提携プロジェクトだ。予定されているリニアコライダーは、電子と陽電子の高速衝突加速器で、2台の大型超電導直線型加速器によって構成される。第1段階では、電子・陽電子を2500億電子ボルトまで加速させ、重心系のエネルギーを5000億電子ボルトに到達させることを目標とする。同リニアコライダーは総距離30キロの地下トンネルに建設され、大量の最先端加速器技術、検出器技術、その他のハイテク技術が投入される。
ILCプロジェクトの建設候補地は現在、米国、スイス、ロシア、日本となっている。日本国内では、福岡と佐賀の脊振地域、岩手の北上山地の二つの候補地がある。ILCプロジェクトを日本に誘致するため、九州の経済団体である九州経済連合会は2013年2月に、福岡・佐賀の両県、九州大学や佐賀大学などの産学官機関と団体を組織し、プロジェクト誘致の関連活動に従事する「ILCアジア-九州推進会議」を発足した。同推進会議の代表者は6月末に首相官邸を訪問し、脊振地域にILCプロジェクトを誘致するよう、安倍首相に直訴した。日本政府は今後、国内の建設場所を確定することになる。関連国の政府と国際機関が協議を通じて建設場所を確定すると、ILCプロジェクトは早ければ2−3年内に着工する見通しだ。建設期間を8−10年として計算すると、ILCプロジェクトは2020年代中頃より稼働を開始する。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年8月14日