中国の移動体仮想通信事業者 来年5月までに事業開始
中国家電販売大手の蘇寧電器と国美電器は22日、通信事業者とモバイル通信転売事業をめぐる提携合意書に署名したと発表した。中国工業・情報化部(工業・情報化省)は今年中にモバイル通信転売事業の許可証を配布する見通しで、初の移動体仮想通信事業者(MVNO)が遅くとも来年5月にそれぞれの事業を開始することになる。京華時報が伝えた。
■蘇寧と国美が合意書締結
蘇寧電器と国美電器は昨日、中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)と同事業の提携合意書に署名したと発表した。両社はMVNOに向け重要な一歩を踏み出した。
蘇寧電器通信事業部総経理の顧偉氏は、MVNOは主に次の二つのサービスを提供すると説明した。(1)ショートメッセージ、通話、通信量などのよりフレキシブルなプランを設定し、ユーザーに販売する。(2)企業向けの事業を展開し、企業の顧客と取引先により個性化されたサービスを提供する。蘇寧電器の孫為民副董事長は、「当社は全国すべての省・直轄市・自治区をカバーできる唯一のチェーン店で、オンライン・実店舗の会員数は1億人を超え、大規模な顧客と、顧客の購入・使用習慣に関する分析能力を持っている」と語った。
■許可証が年内配布
蘇寧電器と国美電器のほかに、中国聯通および中国電信と契約を交わしている企業には、携帯小売最大手・迪信通、オンラインサービス企業・楽語、モバイル通信製品販売業者・愛施徳、モバイル通信機器代理大手・天音、EC最大手・アリババ、EC大手・京東商城があり、この計8社がMVNOの初の試験企業になる。
中国工業・情報化部は今年5月に「モバイル通信転売事業試行プラン」を発表し、条件を満たす民間企業の申請と事業展開を許可した。同事業は「卸売・小売」の形式により消費者に基礎電気通信サービスを提供し、「移動体仮想通信事業者」と称される。同8社にとって、通信事業者との合意は一歩目に過ぎず、最も重要なのは中国工業・情報化部から「モバイル通信転売事業許可証」の配布を受けることだ。
通信事業者と合意に達した某社の担当者は、「8社は中国聯通・中国電信と同時に合意書に署名しており、中国移動(チャイナ・モバイル)との署名も近日中に完了するだろう。中国工業部は年末までにモバイル通信転売事業許可証を正式に配布する。各社はその後、通信事業者と業務・システムを連結させ、それが完了してから転売事業を提供する。通信事業者は各社に対して、同事業の開始時期を、遅くとも来年5月までとするよう求めている」と明かした。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月23日