留学帰国者に10万元の収入格差 需要は二線都市に
人力資源・社会保障部(人力資源・社会保障省)の王暁初副部長(欧米同学会副会長)はこのほど、同会の北京フォーラムおよび第8回中国留学生イノベーション・起業フォーラム大会の席で、昨年末現在、海外留学を終えて帰国した人の数は109万人に達し、昨年1年間では27万2900人で前年比46.57%増加したことを明らかにした。中国は史上初の最大の留学生の帰国ラッシュを迎えており、ここ5年間の帰国者は80万人に迫ることを明らかにした。それではこの留学帰国者たちの国内での就職状況はどうだろう。人材資源担当部門は留学帰国者をどのように評価しているだろう。こうした問いをめぐり、EIC啓徳教育集団がこのほど発表した「海外留学帰国者(海帰)就職力調査報告」の2013年版が、帰国者全体の就職状況についての全面的な解説になる。同調査報告はEICが4年連続で発表しているものだ。「広州日報」が伝えた。
▽海外での実務経験が高所得の分かれ道
EICは今回の調査報告作成にあたり、約半年をかけて調査を行い、調査範囲は北京、上海、広州、瀋陽、西安、武漢など23都市に及んだ。調査の対象となった産業は金融、教育、医療、不動産、スポーツ、小売、観光、電子商取引(eコマース)、科学研究など多岐にわたった。
同調査報告によると、留学帰国者の間ではっきりとした所得格差が生じ始めている。海外での実務経験が5年以下の帰国者は、帰国後の平均年収が16万5千元であるのに対し、5年以上の帰国者は26万7100元だ。調査対象の企業の人材資源担当部門によると、海外での実務経験は「年収格差10万元」の表面的な原因に過ぎず、背後には語学力や仕事の能力が高い人ほど職位や給与が高くなるという真の原因が潜んでいるという。
同調査報告によると、多くの企業の人材資源担当部門が、特定の部署を除き、ほとんどの職位で人材募集にあたって留学帰国者と国内の大学を卒業した求職者とを区別していない。人材担当部門の62%が、留学帰国者を雇用する場合、重点的にみるのは専門的な技能だと答えている。コミュニケーション力と実行力もみるという。また84%が、人材募集で国内大学卒の人と比較した場合、留学帰国者に最も備えていてほしい基本的な技能は語学力であり、次がイノベーション能力だという。