中国のネット通販に独産「上海蟹」予約殺到も当局は「未承認」
昨年、ドイツで「上海蟹」が大繁殖して問題になっているというニュースが、中国で話題になり、グルメ界は騒然となった。ネットユーザーが「100人の美食家を投入してドイツを助けよう」と提案すると、多くの人々からは「一刻も早く(ドイツの上海蟹を)中国に空輸したらいい、多ければ多いほどいいのに」という声が上がった。グルメたちの希望にこたえて、中国のネット通販サイトがドイツ産「上海蟹」の予約を始めたところ、予約数はすでに3万件を超えたという。だが、中国国家品質監督検査検疫総局(AQSIQ)動植物検疫監督官司の責任者によれば、ドイツ産「上海蟹」は目下のところ中国への輸出基準を満足していないという。人民日報及び京華時報が伝えた。
この責任者によれば、中国の現行法規や国際通例によれば、上海蟹のような水生動物を初めて中国に輸出するには、まず輸出国の担当部署から中国の検疫総局に正式申請を行い、厳正なリスク評価や一連の検疫検査、参入手順を経て公的にリスク管理を認定、輸出入両国の担当部署が衛生条件や検疫証書などを確認して中国に輸出が可能になるという。現在、中国国家品質監督検査検疫総局はドイツから公的な正式申請を受領しておらず、企業からドイツ産上海蟹の検疫許可申請も受けていないという。ドイツ産上海蟹が今のところ、中国への輸入許可がなされていないということは、この蟹が対中輸出条件を満たしていないということを意味している。
中国検疫総局によれば、許可を得ず、検疫基準を満たしていないドイツ産上海蟹には様々なリスクがある。上海蟹のような水生動物は、動物衛生、公共衛生、食品安全、生態環境などの重要でデリケートな問題が絡むリスク性の高い商品に分類されているという。
中国国家品質監督検査検疫総局はすでに関連するネット通販企業と話し合いを持っており、国の法規を厳格に順守してこの問題に善処し、公的に説明をするよう要請した。また、消費者に対しては現段階で盲目的に由来がはっきりしない検疫基準を満たさないドイツ産上海蟹を購入して、不要な損失を招いたり、健康を損なうようなことがないよう呼びかけている。(編集EW)
「人民網日本語版」2013年8月26日