買い物だけの「七夕」では、残念すぎる
13日は、中国伝統的な節句で最もロマンチックな色彩の強い「七夕」だ。小売店の多くが商戦の準備を進め、「ロマンチックなお買いもの」の火ぶたが切って落とされた。生花店、飲食業、ショッピングモールなどはあの手この手を考え、このロマンチックな商戦にあやかろうと必死だ。ネットショップ大手も早々と「七夕」仕様を打ち出し、割引、セール、アイディアなど様々な手法で消費者の「ロマンチックになりたい」要望をかなえようとする。新華網が伝えた。
聡明な小売店が節句に事寄せて金もうけをするのは責められることではないし、恋人たちはこの機会にプレゼントを用意して愛情を確かめ合おうとするのも間違いではない。だが、第一期の国家非物質文化遺産に数えられた「七夕節」がただの買い物ブームに終わるだけでは残念すぎる。
七夕節には豊かな歴史文化が秘められている。「彦星」と「織姫」の壮絶で美しい愛情物語の伝説は、長き世に有名な詩や文章で伝えられて、古より中国で特別な文化的要素となってきた。
現実における七夕は欧米の「バレンタインデー」の複製のように成り果て、販売促進の理由づけや話題の種になっている。伝統的な習俗は消えうせ、どこでも似たような「町を挙げてのバーゲンセール」にとって代わってしまった。
端午節、中秋節、重陽節、清明節など中国伝統の節句は、みなどれも同じような窮地に陥っている。伝統の節句が変質する裏側には、文化的要素や信念の消失がある。文化的交流を活発化し、伝統的な文化が常に荒波に表れている中で、どのようにして中国の素晴らしい伝統文化を継承し発揚していくかは、われわれ一人一人が直面する課題だ。
ひとつひとつの伝統的な節句は、文化という宴会に供されたごちそうであり、その精神的な糧を味わっていくことこそが、より良い選択といえるのではないだろうか。いずれにしても、「七夕」を決して「ロマンチック」なセールで終わらせてはならない。(編集EW)
「人民網日本語版」2013年8月13日