アップルCEO 劣勢挽回へ中国プロバイダーと会談
米アップル社のティム・クック最高経営責任者(CEO)は30日に北京を訪れ、中国移動(チャイナモバイル)、中国電信(チャイテレコム)の上層部と会談した。「京華時報」が伝えた。
前任のスティーブ・ジョブズ氏がかたくなに中国に足を踏み入れなかったのと異なり、現職のクックCEOが中国市場を非常に重視していることは間違いない。就任以来、中国を訪れて現地プロバイダーの上層部と会うのはこれで3回目だ。1回目は昨年3月、2回目は今年3月のことで、3回目は2回目から半年しか経っていない。クックCEOは最高執行責任者(COO)だった頃にも何度か中国を訪れ、現地プロバイダーと協力について話し合っている。
アップルの流儀では、クック総裁と中国プロバイダー上層部との会談の内容は秘密にされ、プロバイダー内部でもごく少数の上層部しか内容を知り得ない。プロバイダーの関係者によると、今回の中国訪問における重要なテーマは、おそらく次世代のスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone」(アイフォーン)をめぐる協力、iPhoneの中国での販売状況の低迷をどうやって転換させるか、だろうという。またある情報通によると、クック総裁は今回、中国移動の奚国華董事長(会長)と会談した際、双方の未来における協力の可能性について話し合った模様だ。実際、中国移動とアップルは製品をめぐって協力したことはないが、クックCEOは訪中するたびに必ず中国移動本社を訪れており、ここから双方の協力が進行中であることがわかるという。
クックCEOがかつて述べたところによると、中国はアップルにとって米国に次ぐ2番目の市場だ。だが過去数年間の現地プロバイダーとの協力をめぐる蜜月関係の時期が終わると、アップルは中国市場でさまざまな困難に出会うようになった。
アップルがさきに発表した今年第3四半期(7-9月)の財務報告によると、大中華エリアでの営業収入は46億4千万ドルで、前年同期比14%減少し、前期比では43%も減少した。
今年の世界消費者権利デー(3月15日)に中国中央テレビ局(CCTV)が放送した特別番組では、アップルの中国でのアフターサービスが非難され、アップルは中国市場で多くのシェアを失った。ある分析によると、こうした事情があったたため、クックCEOは1年に2回も、半年しか期間を空けずに中国を訪問した。ここから中国での劣勢挽回にかけるアップルの意気込みが伝わってくるという。
あるプロバイダーの関係者によると、実際にはプロバイダーはアップルが協力の中でうち出す過酷な要求や高額の端末補助金措置にかねてより不満をもっていた。そこで現在の情況を利用して、アップルと協力の方法について話し合う可能性が高いという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月31日