相次ぐ大手のM&Aから見えてくるIT産業の未来
米国のインターネット業界では近頃、大規模な合併買収(M&A)取引が頻繁に行われている。直近のケースとしては、インターネットショッピング大手のアマゾンが13日、韓国・サムスン傘下のエレクトロセッティング(液滴駆動)などを手がけるオランダのディスプレイ企業リクアビスタを買収した。M&Aの舞台で最も活躍しているのはマイクロソフト、ヤフー、グーグルといった有名な情報通信(IT)大手たちだ。マイクロソフトはこのほど10億ドルで電子書籍のヌークメディアのデジタル資産を買収し、ヤフーは上半期に活力のある若い企業5社を買収し、買収額は1600万ドルに達した。「人民日報」が伝えた。
インターネット業界でのM&A取引の活発さは、一方ではIT大手が実力や競争力をめぐって賭けに出ていることを示し、また一方では業界の今後の発展情勢を見据えた戦略的な配置でもある。
第一に、グローバルインターネット市場で強者達が覇権を争い、お互いに競ってばかりの状況では、M&Aを通じて実力を高めることが、ネット大手の最も採用したがる戦略的方法になることは間違いない。アマゾンはリクアビスタを買収したことで、電子書籍端末「キンドル」のカラー版をうち出す可能性があり、さらには技術面での不足を補うことが予想される。
第二に、インターネットの未来はモバイル技術の天下になるというのが、今後の明らかな流れだ。伝統的なインターネットモデルにとどまる多くのIT大手にとって、活力ある若い企業を買収して自社の弱点を補うことは有効な手段になる。双方の価値を高めるだけでなく、未来の配置に向けた戦略的な目的を達成することもでき、一石二鳥だといえる。最近しきりに耳にするマイクロソフト、グーグル、ヤフーなどの強大な資金力をもった大手企業によるM&Aのニュースは、いずれも戦略的な思考に端を発するものだ。