中国のブロードバンド 速度が遅く料金が高い理由とは? (3)
◆料金面の課題
現在の中国にとって、ブロードバンドの通信速度の上昇の意義はネット接続の利便性のみならず、経済の高度成長のけん引にある。経済協力開発機構(OECD)を対象とするリサーチによると、ブロードバンドの通信速度を2倍に上昇させた場合、GDP成長率を0.3%押し上げることができ、これを4倍に上昇させた場合、GDP成長率を0.6%以上押し上げることができるという。モデルチェンジ中の中国にとって、この経済けん引力は非常に重要になってくる。
実施プランでは、「適度に高度なブロードバンドネットワークの発展構造を形成する」が基本原則として明記されている。これはつまり、光ファイバーの普及が大勢の赴く所となったことを意味する。新築住宅にとって、光ファイバー普及は文書によって義務化されている。ゆえにいかに既存の住宅に光ファイバーを普及させるかがカギになってくる。実際には不動産管理会社と通信キャリアの駆け引きは早くから始まっていたが、「ブロードバンド中国」という戦略の実施により、この駆け引きを適切に早期解決する必要が生じている。
ブロードバンドの速度が本当に上昇したか否かについては、ユーザーが常に疑問を抱いている。中国工業情報化部と中国通信標準化協会は2012年11月末に、ブロードバンド通信速度の測定基準を相次いで発表した。しかしこの二つの基準は技術的な難易度が高いため、一般ユーザーの使用が困難であり、また「ニセブロードバンド」に対する強制的な懲罰措置も存在しないため、この二つの基準を知っている人は少ない。
多くの消費者にとって、料金引き下げは通信速度の上昇より重要かもしれない。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月9日