春節(旧正月。今年は1月31日)を目前に控え、多くの企業では新年パーティが行われると同時に、従業員が待ち焦がれてきた年末賞与が支給される時期を迎えている。しかし企業の中には奇妙な方法で年末賞与を支給するものもある。浙江省金華市のある企業で働く章さんからは、次のような投書が寄せられた。浙江在線が伝えた。
章さんによると、勤務先の企業では数日前に新年パーティが開かれ、会場で年末賞与も支給された。新年パーティは盛り上がりを見せ、参加者は食事を楽しんていると、社長が登場して年末賞与を支給すると発表し、多額の現金をテーブルに並べた。章さんや同僚が心を弾ませて見守る中で社長が放ったひとことが、皆を驚愕させた。
「今年、年末賞与は新たなルールに基づくこととする。酒を飲んだ量によって年末賞与を支給する」。多くの人が「冗談だろう?」と首をかしげた。ここ数年の年末賞与はいずれも従業員の業績や業務時間に基づき支給されていたためだ。
しかし社長は完全に本気だった。「男性従業員は白酒(蒸留酒)1杯で500元、ワイン1杯で200元、ビール1杯で100元。女性従業員はその倍だ」と社長は詳しいルールまで付け加えた。
章さんによると、従業員は皆、並んで酒を飲み始め、飲み終わるとお金を支給されたという。こうして多くの人が酔っ払った。
「全く泣くに泣けなかった。酒を飲まなければ賞与はもらえないし、飲みすぎは体に悪い。最終的には賞与のために皆酒を飲んだが、同僚は何人も吐くはめになった」。章さんは会社のこうしたやり方は非人間的で非合理的だと感じている。「1年間苦労して働いて、年末の賞与が酒の量で決められるなんて、酒を飲めない人には不公平だ」。章さんによると、1万元近くの賞与を手にした人もいれば1000元ぐらいしかもらえなかった者もおり、差が大きかった。
後に章さんと同僚は社長に、なぜあんな方法で年末賞与を決めたのかとたずねたところ、社長は「我が社はセールス業務が中心だ。酒量はセールスを左右する重要な要素だ」と語ったという。
この件について記者が金華市法律援助センターの弁護士に問い合わせたところ、関連の法律の規定では、最低賃金基準に関する規定はあるが、年末賞与の支給については明確規定はないとの回答を得た。もし企業と労働者が年末賞与の支給の有無や金額、支給方法について事前に取決め、契約を交わしていた場合には当然、法的な保護を受けることができるが、そうでない場合は企業の自主的な行為にあたり、法的には線引きは難しいという。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年1月26日