中国の都市で「ナイトジョギング」が流行 「横紋筋融解症」に注意
最近、中国の都市部では、「ナイトジョギング」が流行している。日中は学校や仕事で忙しい人が、夜の時間を利用して運動をするのだ。夜に思いっきり汗をかいて運動した後のすがすがしさは何にも代えられない。ところが、浙江省杭州市の複数の病院ではここ1カ月の間に、急な過度の運動などが原因で「横紋筋融解症」を発症した患者が増えているという。専門家は、「運動は、順を追って一歩一歩進めなければならず、適度な運動を心がけなければならない」と注意を呼び掛けている。浙江日報が報じた。
杭州市のあるIT企業でソフトエンジニアをしている孫さん(30)は、身長が180センチで細身。そんな孫さんの会社でも最近、ナイトジョギングが流行している。毎日仕事が終わると、同僚たちが熱心に運動しているのを見て、自分もジャージやジョギングシューズを購入して、同僚らとジョギングを楽しむようになったという。
ある晩、孫さんがジョギングを終えて帰宅すると、太ももの筋肉の痛みが激しくなり、就寝後は太ももがけいれん。さらに、夜中に起きてトイレに行くと、尿の色が醤油のような色になっていることに気付き、朝になると、尿が出なくなり、慌てて病院に行ったという。検査の結果、電解質代謝異常症(高カリウム血症、カルシウム不足)、肝機能障害が見付かった。尿検査ではクレアチニンが800ummol/Lに達していた。腎臓内科の専門医師は検査の結果、急性腎不全症、横紋筋融解症と診断し、入院が決まった。
その日の様子について、孫さんは「夕方仕事が終わって、みんなと一緒にジョギングに出かけた。日ごろの運動不足のせいか、少し走っただけで息が切れてしまう。それでも、同僚に見くびられたくないから、歯を食いしばって走り続けていた。あの夜は多分、3キロくらい走ったと思う」と振り返る。
孫さんは入院中、カルシウムを補給するための点滴、血液中の水素イオン濃度を低下させるための点滴、利尿、肝臓の治療、炎症予防、透析などを受け、半月後にやっと病状が好転したという。
専門家によると、横紋筋融解症とは、過度の運動が原因で横紋筋細胞が融解し、筋細胞内の成分が血中に流出する症状で、若者が発症することが多い。症状には、筋肉痛や浮腫み、脱力感、赤褐色尿などがあり、重症の場合は、急性腎不全症状を伴う。原因は、普段運動不足の人が突然過激な運動をし、筋肉がその負担に耐えられないことで起こるという。
専門家は、「若くても、順を追って一歩一歩、力相応に進めなければならない。特にマラソンやスクワット、懸垂などの場合、突然過激な運動をするのは禁物。もし、尿の量が少なくなったり、色が濃くなったり、浮腫みが出たりした場合、横紋筋融解症を疑い、すぐに病院に行かなければならない」と注意を呼び掛けている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年11月27日