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北京空港、密輸された漢方材料から吸血性マダ二類

 北京出入境検験検疫局(北京国検局)は5日、北京首都国際空港の税関検査で最近、赤道ギニアから帰ってきた旅行者3人の荷物から、漢方の材料で用いられるアジアの珍獣・センザンコウの鱗(うろこ)を発見し、中から大型の吸血性マダニ類が発見されたことを明らかにした。中国全土の税関検査所で、外種のマダ二類が発見されるのはこれが初めて。 北京日報が報じた。

 7月16日、同空港のターミナルビルT3で国検局の職員が検査を行っていた時、中国籍の旅行客3人の荷物から、「出入境人員携帯物検疫管理弁法」で持ち込みが禁じられているセンザンコウの鱗計3.9キロを発見。マダ二類も発見されたため、すぐに密封して北京国検局技術センター医学媒介生物実験室に送り、検査を実施した。

 検査の結果、マダ二類14匹の死骸が発見された。同実験室の田潔室長によると、「発見されたのはマダ二類のAmblyomma compressumで、中国名のない非常に珍しい虫」だという。

 マダ二類の権威ある専門家である、中国軍事医学科学院の許栄満教授によると、同ダニは中国全土の税関検査所で初めて発見されたマダ二類だ。

 田主任によると、同ダニはアフリカダニ咬傷熱(リケッチア症)の媒介となる。アフリカのサハラ砂漠以南の国を旅行し、帰国後に急性発熱性伝染病を発症した人の5.6%がアフリカダニ咬傷熱であるとする資料もある。このため、同ダニは病原体を運ぶ可能性のある重要な病原媒介生物だ。

 センザンコウの鱗は高価な漢方薬の材料として知られ、リューマチ性関節炎や、汗腺または皮脂腺が化膿して皮膚や皮下の結合組織に生じる腫れ物、腫瘍などの治療に効果がある。アフリカでは安価で販売されているため、持ち帰る中国人旅行客が多い。同空港の国検局旅客検疫処の夏雲成・副処長によると、今年だけでもセンザンコウの鱗を26回(計18.1キロ)押収しているという。夏副処長は、「動物系の商品は、ハエ類やダニ類など病原媒介生物が侵入する経路となりやすく、病気の伝染につながり、人の健康に重大な危害を及ぼす可能性がある」と警告する。

 病原媒介生物とは、直接的または間接的に人の病気の伝染経路となったり、人の健康に危害を及ぼしたりする生物のことだ。国境の税関検査所などでよく発見される病原媒介生物には、ネズミ類やノミ類、蚊類、ハエ類、ダニ類、節足動物(ツツガムシ類を含む)、ゴキブリ類、ユスリカ類の8種がある。検験検疫部門は現在、医学検査・クイック検査などを通して、病原媒介生物の有無に重点を絞り、旅行者の荷物に対する検査を強化している。

ダニに噛まれると最悪死に至る場合も

 ダニに噛まれると、24-48時間後に局部が炎症を起こす。軽度の場合は、赤い斑点ができるだけで、斑点の真ん中に虫に刺された跡がある。重度になると水腫を伴う赤い斑点や丘疹・水疱ができ、しばらくたってから堅い結節ができる。結節をかきむしると皮膚がただれ、治るのに数カ月、長い時には1-2年かかる場合もある。ヒメダニに噛まれると、組織が壊死することさえある。噛む時に唾液(または卵巣)中の神経を麻痺させる毒素を宿主の体内に注入するダニもいる。このようなダニに噛まれた場合、「ダニ麻痺症」を発症し、上半身の麻痺を起こし、最悪の場合呼吸中枢が侵されて死亡することさえある。特に子供の患者が多い。またダニ咬傷熱を引き起こすダニも多く、噛まれると1-2日後に寒気や発熱、頭痛、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が出る。(編集KN)

 「人民網日本語版」2013年9月6日

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