心理カウンセラー育成、上海で本格始動
長年の準備・申請認可期間を経て、中国の心理カウンセラー育成事業の始動体制がようやく整った。「心理カウンセラー」はすでに国家職業訓練プロジェクトに組み込まれ、国内初の研修クラスが上海に誕生した。研修を受講し、認定試験に合格した人には、国家人力資源社会保障部(人社部)から、「心理カウンセラー」の職業資格証明書が授与される。新民晩報が伝えた。
上海での心理カウンセラー育成訓練を担当するのは、上海知音心理カウンセリングセンター。同センターの責任者を務める上海心理カウンセラー業協会の王裕如・会長は、「心理カウンセラーは、決して単なる『話し相手』ではない。社会の急成長に伴い、一人っ子が老いた親の面倒をみなければならないというプレッシャーがじわじわ強まっている。このような社会的背景から、心理カウンセラーに対する需要も高まりつつある。心理カウンセリングの概念やその目標は、もはや患者や病気といった狭い範囲だけに限らず、その対象は妊娠・出産期の女性、がん患者、一人暮らしの高齢者、慢性病患者、深刻な心理的問題を抱えた人などにも拡大している」と指摘した。心理カウンセラーは、科学的な心理分析法をマスターし、患者の心理を科学的に分析し、クライアント(カウンセリングを受ける人)の心理的状態を掌握しなければならない。また、カウンセラーはクライアントの心理状態や行動を改善するため、自身の態度や言動を通じて十分な意思疎通を図る必要がある。
王会長によると、心理カウンセラー育成訓練を受講するのに適しているのは、心理士、看護士、社会福祉士、住民委員会幹部、人材派遣業従事者などだという。育成訓練終了者には、人社部就業訓練技術指導センターが証明書を発行する。主催者側は、「これからの心理カウンセラーとクライアントとの関係は、『医師と患者との関係』と同じような関係となるだろう。クライアントの心理的な健康を促進することを目的とし、両者の正常な関係が保たれない場合は、道徳関連法や業界規約による制約が課される」と明言している。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年9月5日