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パキスタン紙:「在中留学生を利用しソフトパワー強化を図る中国」

 パキスタン紙デイリーメールの公式サイトは29日付で、「在中外国人留学生を利用してソフトパワーの強化を図る中国」と題する評論を掲載した。グライソン・ダーフィールドさん(45)は、MBA取得を目指して中国に留学するため、米テキサスの自宅のみならず、パソコン大手デル勤務という華々しいキャリアライフも手放した。彼女によると、中国は本当の意味で「チャンスをつかめる地」だという。フィンランド人のリア・トスナさん(27)は、1年間中国に留学して商業の学位を取得するため、マネージャーを務めていた某大型小売企業に長期休暇を申請した。「ビジネスチャンスは、欧州より中国の方がずっと多い」とトスナーさん。中国系米国人のジョナサン・オーイさん(25)は、「祖国」に戻り、北京大学光華管理学院でMBAを取得し、米国のクラスメートに差をつけた。この3人は、中国で学ぶ多数の欧米人留学生の一部にすぎない。彼らの主な目的は、中国で高等教育を受け、中国文化を深く知ることだが、これだけではない。競争が激化する就職市場で、「中国への留学経験は極めて有利」との見方が広がっているからだ。環球時報が伝えた。

 中国人留学生が欧米での大学で勢力を拡大している一方で、中国で学ぶ外国人留学生の数も急増している。中国教育部(教育省)の統計データによると、2001年時点ではわずか6万人だった外国人留学生の数は、2011年には前年比10%増の29万人に達した。中国で学ぶ留学生を出身国別で見ると、韓国と米国が最多で、日本、ロシア、インドネシア、インド各国からの留学生も多い。専門家は「中国で学ぶ留学生を増やすことは、中国政府の入念な戦略であり、奨学金と教育用設備に対する投資を増加することで、中国文化・言語に対する世界の人々の理解を深め、中国の『ソフトパワー』拡大を図っている」との見方を示した。 中国政府は、国内の大学で学ぶ外国人留学生の数を2020年までに50万人に増やすことを計画している。また、新世代の「中国通」を育成する目的で、米国、欧州、アジア諸国の政府も、自国の中国研究プロジェクトへの投入資金を増やし、より多くの学生が中国で学ぶよう後押ししている。

 外国人留学生は、「中国で学ぶことは、欧米で学ぶよりずっとエキサイティングだ」と評している。また、滞在費も安い。中国では、大学の授業料が1学期あたり約1千ドル、食事・宿泊費も安いところが多い。一方、米国では、学費だけでも、年間1万2千ドルから3万7千ドル(約121万円から374万円)かかる。

 もっとも、中国の大学の「教育の質」については、疑問視する声もある。世界教育サービスセンターのクラーク・ニック氏は、「世界の大学ランキングを見ると、中国の大学は、他国に見劣りし、特に規模とシステムに問題があると認識されている。しかし、この数年の進歩には目覚ましいものがある」と指摘した。中国各地の大学に詳しい香港大学の楊鋭教授も同じ見方を示しており、「中国で学ぶ外国人留学生から、教育の質に関する批判を多く聞く。特に、地方の大学ではその傾向が強い」と語った。

 だが、ジョナサンさんのような留学生にとって、キャンパスの外で得られる貴重な経験は、北京大学商学部の「どちらかと言えば未成熟な」教育内容を補うに余りあるという。「中国に欧米式教育を期待すれば、失望するに違いない。私はこれまで、テキストと授業の質が、教育の全てだと認識していた。しかし、今では、キャンパスの外側での経験も考慮すべき要素のひとつだと思っている」とジョナサンさんは述べた。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年5月31日

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