WiFiに発ガンリスク? 電磁波1年分でも数十分の携帯通話以下 (2)
民間の科学普及機関「サイエンスリスの会(科学松鼠会)」はここ数年、「WiFiが精子を殺す」というデマを打ち消し、正しい情報を発信してきた。同会の会員である香港城市大学電子工学科の焦述銘・博士は、「国内外では、電磁波と疾病発症率との関係を調べる研究が進められてきたが、これらの研究結果は、単なる憶測にすぎず、広範囲から認められている訳ではない」と指摘した。
焦博士によると、英国健康保護局(HPA)は、無線ルータを常時オンにしていても、1年間で発生する電磁波量は、せいぜい、携帯電話で数十分通話した時の電磁波量ほどであると推測しているという。
○専門家による実験:WiFi電波と豆の発芽率との関係性
清華大学理工学部電磁両立性研究室エンジニアの辛理科氏は、北京にある「種の専門機関」と共同で、「WiFi環境下での種子発芽実験」を行った。この実験では、中国で良く見られる緑豆などの種子800粒以上が、実験対象に選ばれた。
辛氏は、「実験では、日照、温度、湿度など種子の発芽に適した条件を完全に同一にした2部屋を用意した。2つの部屋の違いは、一方にWiFiなどの電磁波放射があるという点のみで、その他の環境は同じにした。先週土曜日、12日間に及ぶシミュレーションが終了したが、2つの部屋に置いた種子の発芽率に変わりは無かった」と話した。
このシミュレーション結果から、辛氏は、「規格をクリアしている無線ルータから出ている電磁波は、人体に対してまったく無害だ」と結論づけている。
辛氏はさらに、「専門家の立場から断言するが、昼間にWiFi接続をオンにしたままでも、2Gあるいは3G携帯電話でネット接続した時に浴びる電磁波に比べ、WiFiからの電磁波量の方が少ない」と続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年10月29日