李克強総理は10日午前、ボアオ・アジアフォーラム2014年度年次総会の開幕式に出席し、「アジアの発展の新たな未来を共に切り開く」と題して基調講演を行なった。
李総理は講演で「現代世界は深い変化の最中にあり、世界経済の回復過程は緩慢で困難に満ちている。アジアは最も活力ある地域の1つであり、発展の正念場にもある。アジアの大部分は発展途上国であり、経済発展、民生改善は依然として極めて困難な課題だ」と指摘。新たな情勢下でアジアの発展の原動力を掘り起こす道筋について、3つの見解を示した。
(1)共同発展という大きな方向性を堅持し、アジア利益共同体を結成する。アジア諸国は引き続き共に困難を乗り越え、克服し、経済の相互補完性を発展の互助力に転化し、利益の合流点を拡大し続ける必要がある。
(2)融合発展という大構造を構築し、アジア運命共同体を形成し、インフラのコネクティビティを積極的に推進し、深い産業協力、強みによる相互補完を促進する。
(3)平和的発展という大環境を守り、アジア責任共同体を築き、アジア地域の安全保障協力メカニズムの構築を積極的に検討する。
李総理は「中国は引き続き平和的発展の道を堅持し、善隣友好の周辺外交政策を遂行する。自国の領土主権を守るというわれわれの意志は揺るぎないものであり、平和的手段を通じた紛争解決という主張も明確なものだ。海上協力を強化する前向きな行動を、われわれはいずれも全力で支持する。南中国海の平和・安定を破壊する、もめ事を引き起こす行為に対しては、われわれは果断な対応を取る。中国は平和を大切にしており、周辺国と共に地域の繁栄・安定を守ることを望んでいる」と強調。
「現在中国経済は平穏なスタートを切っており、全体的に良好だ。だが安定しつつ好転するための基礎はまだ堅固でなく、下押し圧力が依然存在し、いくつかの困難は過小評価できない。複雑な情勢を前に、冷静に観察し、動揺しない力を保つと同時に、未然に手を打ち、主導的に動く必要がある」と指摘した。
開幕式では、福田康夫理事長が歓迎の言葉を述べた。また、オーストラリアのアボット首相、韓国の鄭ホン原首相、ラオスのトンシン首相、ナミビアのガインゴブ首相、パキスタンのシャリフ首相、東ティモールのグスマン首相、ロシアのドボルコビッチ副首相、ベトナムのブー・ドゥク・ダム副首相が式辞を述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年4月11日