「静かにそっと影響を与える」 全人代初の女性報道官、傅瑩氏 (2)
これはオリンピックに真に注目する少なからぬ人々から称賛を博した。
その10数日後、ロンドンで行われた北京五輪聖火リレーで、デモ参加者がトーチを力ずくで奪い取ろうとする事件が起きた。
「英国紳士の風格はどこへ行ってしまったのか?」傅氏は英紙サンデー・テレグラフへの寄稿で、寒さで鼻を真っ赤にした中国の女性ボランティアが事件後に発した疑問を感性ある筆致で紹介した。
英国のブレア元首相は傅氏を「中国の声を最もはっきりと伝えることのできるメッセンジャーの1人」と称賛した。
傅氏はよく柔をもって剛を制す。
記者会見で、中国外交は「一層威圧的になるか」との日本人記者の質問に対する傅氏の回答は「小よく大を制す」ものだった。「あなたがこの質問をした時、中国人記者がみな笑ったのに気づいたでしょう。中国は独立自主の平和外交政策を堅持するが、領土係争問題では、相手国が挑発的な行動に出れば、果断な対応をする。中国は溝や摩擦の話し合いを通じた解決を希望するが、もし相手国が強硬な措置を選択し、共通認識に背くやり方を選択するのなら、中国には『来りて往かざるは礼に非ざるなり』という言葉もある」。
傅氏は、中国はまだ完全ではなく、改革を深める過程で解決しなければならない問題が多くあると考えている。「外の世界の理解を得たいのなら、われわれはより自発的に中国を紹介し、詳しく説明する必要がある。特に穏やかな心と普通の言葉で、静かにそっと影響を与える方法でわれわれのメッセージを伝える必要がある」。
初めて報道官を担当することについて傅氏は「小学生のように」緊張していると謙遜する一方で、報道官として最も重要なのは意思疎通であり、相手の受け入れる方法で交流することだとも指摘した。
1983年に全国両会に報道官制度が設けられて以来、全人代の歴代報道官である曽濤氏、姚広氏、周覚氏、曽建徽氏、姜恩柱氏、李肇星氏はいずれも独自のスタイルと個性を備えていた。傅氏の登場によって、全人代に新たな彩りが添えられた。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年3月5日