村山元首相「日本には日中関係の膠着状態を和らげる責任がある」 (3)
■安倍首相に「村山談話」を継承してもらいたい
記者:村山元首相が1995年に発表された「村山談話」は、日本政府が歴史を直視した重要な象徴と考えられています。しかし日本の新政権は歴史観を見直すつもりで、「有識者懇談会」を立ち上げて「21世紀にふさわしい、未来志向の新しい談話」、すなわち「安倍晋三首相談話」を起草することを計画しています。発表されうる新しい談話に対して、最も基本的な忠告や提案として何をお持ちですか?
村山元首相:いわゆる「新しい談話」に関して、どのような考えでそうするのか私から安倍首相に直接聞いたことはありません。ですからここではコメントは差し控えます。しかし、安倍首相は就任前に「村山談話を継承する」姿勢を自ら表明しました。これは本心だと信じています。訪中から帰国後、私は安倍首相に対して、変化し続ける国際情勢の中で、「村山談話」継承の立場に立って、進歩的な観点から日本の今後の方針について新たな談話を発表することを望むと表明しました。
記者:田中角栄元首相や小渕恵三元首相といった日本政界の要人はいずれも、歴史問題について公に反省と談話を行いました。しかしかつて日本の侵略を受けたアジアの国々は、日本国内には歴史を直視できない勢力が依然いて、こうした勢力のために日本はドイツのように歴史を徹底的に反省することができずにいると常に考えています。これはなぜだとお考えですか?
村山元首相:実際のところ、当時の「村山談話」は私個人の見解ではなく、閣僚全体の同意と、自民党、新党さきがけ、社会党の三党連立政権の同意を経て、私が代表して発表したものです。一部の日本国民からの批判や誤解はありますが、これは極わずかな人々です。「村山談話」発表後、日本の歴代首相は「村山談話を継承する」と異口同音に表明してきました。これが日本政府および日本国民の姿勢です。ほんの一握りの反対勢力が存在するのは事実ですが、これは仕方のないことです。