盛り上がる中国映画界で伸び悩む中国文芸作品
2013年、中国の映画市場は飛躍的な成長を見せ、1月から9月の興業収入だけで、2012年の総興業収入に近づいた。一方で、中国産の文芸作品の興業収入は減少している。新華網が報じた。
わずか10日で上映が打ち切られた「有種」
大都会で生き抜こうとする若者たちを描いた張元監督の新作「有種(Beijing Flickers)」は、11月8日に中国全土で封切られた。中国では、1が4つ並ぶことから11月11日が「独身の日」とされ、さまざまな映画がこの日に合わせて封切られた。「有種」もそのうちの1つだ。しかし、熾烈を極めたこの期間の興業収入競争の中で、「有種」は最も早く脱落した作品となってしまった。
「有種」の配給会社の代表、高軍氏は取材に対して、11月11日の時点で、「有種」の興業収入はわずか110万元(約1760万円)にとどまっていることを明らかにした。その後も、アルフォンソ・キュアロン監督による SF大作「ゼロ・グラビティ」が19日に封切られるのを待たずに、「有種」は福建省福州市など、中国全土の多くの映画館で上映が打ち切られた。結局、上映時間は10日間もなかったということだ。
数々の国際映画祭にノミネートされ、台湾の第49回「金馬獎」で「アジア映画評論家連盟賞」を受賞し、さらに中国最大級のインディペンテンド映画祭「第7回西寧FIRST青年映画祭」では大賞5項目を独占した「ティエダンのラブソング(原題:美姐)」でさえ、興業収入はわずか52万元(約832万円)だった。また、第60回べルリン国際映画祭で最優秀脚本賞にあたる銀熊賞に輝いた「団円」の興業収入もわずか32万元(約512万円)と、惨敗だった。