高速列車「復興号」、23年度国家科学技術進歩賞の特賞を受賞
高速列車「復興号」が24日、2023年度国家科学技術進歩賞の特賞を受賞した。科技日報が伝えた。
前世紀における中国の旅客列車の平均運行速度は、60km/h未満だった。2007年、技術導入及び「和諧号」シリーズ高速列車の開発により、中国の高速鉄道技術は複数の画期的な成果を上げたが、重要技術を完全に確立しておらず、海外の技術プラットフォームでは中国での需要を完全に満たせないなどの問題が引き続き残った。
2012年末に旧鉄道部(省)が主導で中国中車など中国の複数の機関と共同で研究開発イノベーションチームを結成し、全産業チェーンの数百の中核関連企業が共同で参加することにより、中国標準高速列車の研究開発が全面的に始まった。
中国中車の首席科学家である王軍氏は、「重要中核技術をしっかり確立して初めて、他者をリードする真の大国の代表的な設備を作ることができる。チームは研究開発の最初から、中核技術の全面的な確立と世界をリードするという目標に狙いを定めていた」と述べた。
1本の高速列車には50万個以上の部品が使われ、巨大なスーパープロジェクトだ。さらに中国特有の複雑な地理・気象条件、超長距離で持続的な高速運転の作業環境などの要素が加わり、独自の研究開発はかつてない課題に直面した。性能が最も優れた機関車を設計するため、研究開発チームは大量のシミュレーション計算と試験を行った。最終的な機関車が開発された時には、データがびっしり記録された紙が人1人分近くほどの高さまで積まれた。騒音低減の目標を達成するために、チームは異なる材料・構造の防音状況の試験を3000回以上行った。研究開発者は列車を高速かつ安定的に走行させるために、数十種のパラメータの組み合わせを繰り返し比較した。研究開発者は列車に中国製の「脳」を搭載するために、コードを一つずつ細かく入力し、機能を一つずつ検証し、技術的ソリューションを100回ほど模索した。列車ネットワーク制御システムの完全な国産化をついに実現した……。
中国標準高速列車のラインオフ後、同チームは列車の性能検証と最適化をしっかり行うために、休むことなく、北京の環状鉄道、大西高速鉄道旅客輸送専用路線、鄭徐高速鉄道旅客輸送専用路線、哈大高速鉄道旅客輸送専用路線で試験を行い、運行距離が赤道15周分に相当する61万kmにのぼった。
高速列車復興号は5年を経て、完成車設計や車体、台車、牽引、ブレーキ、ネットワークなどの中核重要技術のブレイクスルーを達成し、完成車からシステムへ、ハードウェアからソフトウェアへの全面的な独自化を実現した。
2017年9月21日、復興号は京滬高速鉄道で350km/hの速度で運行し、世界の高速鉄道における営業運転の新たなベンチマークを打ち立てた。これにより、中国の高速列車の重要技術が全面的に国産化され、追走からリードへの鍵となる一歩を踏み出した。
その後160-350km/hの復興号シリーズ高速列車が次々と使用開始され、走行範囲は31省・自治区・直轄市をカバーし、中国の高速鉄道運行の主力車種となった。復興号は2021年よりラオスやインドネシアなどの国への輸出が始まった。
2023年末時点で復興号はすでに1194本が運行され、12本が輸出されており、列車の安全営業距離は23億4000万km。
復興号は高速列車全チェーン設計製造体制を構築し、高速列車の高性能動力・制御技術のブレイクスルーを達成した。その達成した350km高速列車標準体制は世界の空白を埋めた。また復興号は1人・100 km当たりエネルギー消費量を20%、車内の騒音を2デシベル減らし、安定性を8%高め、ハイレベルのメンテナンスサイクルを37.5%延ばし、100万km当たり故障率を30%下げるという成果を上げた。
現在、中国鉄道科学技術イノベーションチームは、CR450高速列車の開発を加速させている。これはより高速、省エネ、環境にやさしく安全な次世代高速列車で、将来、世界の高速列車の発展方向をさらにリードすることになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年6月27日
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