アフリカ版「村超」も誕生 貴州省で生まれたサッカーイベントが世界へ
中国サッカースーパーリーグのCSLならぬ「農村サッカースーパーリーグ(村超)」が現在、貴州省黔東南苗(ミャオ)族侗(トン)族自治州榕江県で開催されており、白熱した大接戦が繰り広げられている。
貴州省の「村超」には、現地の20の村が自発的に立ち上げたチームが参加している。ほとんどのサッカーの試合と異なり、「村超」の参加者はプロの選手ではなく、各村の普通の村民だ。
参加する選手が普通の村民であるほか、「村超」はその賞品も、ブタやウシ、ヒツジ、ニワトリなどで、完全大衆密着型のイベントとなっている。
歴史を振り返ってみると、80年前、広西大学が榕江県に移動した際、サッカーの「種」がそこに撒かれ、その後、娯楽の一環として村対抗のサッカーの試合が開催されるようになったという。そして、2023年、インターネットを通して、「村超」が爆発的人気となった。
サッカーが農村に新たな活力を注入し、アフリカ版「村超」も誕生
「村超」が爆発的人気となってから1年余りの間、毎週末、多くの観光客が榕江県に押し寄せてくるようになった。文化観光ブームが経済成長をもたらしたほか、「農村のパーソナリティ」が「村超」をテーマに、たくさんのフォロワーをゲットするようになった。ネットユーザーから「西瓜妹」と呼ばれる熊竹青さんも、そんな人気パーソナリティの一人だ。
「村超」の試合会場や田畑など、熊竹青さんは様々な場所でライブ配信をして、地元の農業副産物をPR・販売している。熊竹青さんのような若者は、スマホを新たな「農具」として活用し、榕江県のパッションフルーツやスイカといった農産物を、「村超」人気の波に乗せて、より遠くの市場へと送り込んでいる。
影響力が拡大し続ける貴州省の「村超」はすでに、単なるサッカーイベントではなくなり、世界に進出するまでになっている。中国が綿花技術を伝え、ベナンを支援するプロジェクトグループのサポートの下、貴州省の「村超」の経験を参考にして、ベナンではすでに村レベルのサッカーチーム12チームが立ち上げられ、アフリカでも「村超」が開催されるようになっている。
アフリカのベナン版「村超」の誕生は、中国文化の対外宣伝の新たなケースであり、「村超」というスタイルは魅力に富み、他の地域における適応性にも優れていることを示した。
5月1日、アフリカのリベリアのサッカーチームが遼寧省のサッカーチーム「東港草莓」と対戦するフレンドシップマッチが、貴州省の「村超」のグラウンドで開催された。貴州省の「村超」にアフリカのチームが参加するのはこれが初めてのことで、「村超」は国際交流が展開されるグローバル化されたイベントとなり、中国と海外の民間交流の懸け橋にもなっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年5月15日
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