中国初のマグロスマート漁業予測システムを発表
中水集団遠洋股份有限公司(中水集団)と上海海洋大学が共同で開発した中国初のマグロスマート漁業予測システムである海鷹AI(人工知能)システムがこのほど正式に発表されたことが28日、分かった。科技日報が伝えた。
中国のマグロ漁業はスタートが遅く、漁業先進国と比べると、関連資源の認知能力と開発能力が弱く、漁獲の効率が低い。中水集団はこの現状を変えるべく上海海洋大学と協力し、AIやビッグデータなどの新技術を応用し、70年に及ぶマグロ漁業データ及び世界海洋環境データを利用し、海鷹AIシステムの開発に成功した。
上海海洋大学海洋生物資源・管理学院の陳新軍院長は、「海鷹AIシステムはリアルタイムの気圧、風の場、波浪、海水温、塩分濃度、海面高度、流れ場、溶存酸素、クロロフィル、浮遊生物、一次生産性などの20数種の海洋生態環境要素情報を提供できる。同システムはマグロの生物学、生態学、水産学などの特徴・知識を結びつけ、ビッグデータマイニング・ディープラーニング技術を採用することで、マグロ中心漁場予測及び中長期資源量予測を実現し、マグロ漁の科学的な生産・管理の推進に役立つ」と説明した。
陳氏はさらに、「海鷹AIシステムは操業漁船の位置監視、越境早期警報・警報、船の位置及び航路に基づくメール送信による国境通過を報告することで、不要な紛争を回避することもできる。同システムは『1枚の画像』という形式により毎日定期的に操業海域の環境情報、船の位置情報、漁業予測情報を自動的に発表し、現場の生産及び企業の管理に貢献する」と述べた。
海鷹AIシステムは現在すでに中水集団のすべてのマグロ漁船で応用されている。中水集団の梁勇副社長は、「23年に大西洋の船隊で同システムのテストを行った。マグロ漁の効果から判断すると、1隻当たりの漁獲量が13.8%増加した。海鷹AIシステムを操業に応用することで漁獲効率が大幅に上がった」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年4月29日
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