中国の若者の間で「日中は仕事・夜は夜間スクール」が人気に

人民網日本語版 2024年01月04日11:11

中国では1980年代、日中は仕事をして、夜は「夜間学校」で勉強することが多くの若者の間で人気となった。その後、高等教育機関が新入生募集枠を拡大したほか、ネットワーク情報技術が発展し、各地の夜間スクールは少しずつ衰退していった。しかし、中国各地で最近、「夜間スクール」が再び若者の間で注目を集めるようになっている。人民網が報じた。

昨年8月、上海市民芸術夜間スクールが秋のクラスの学生を募集したところ、1万人の枠に65万人以上が殺到し、12クラスが60秒以内に定員に達した。現時点で、北京や西安、深セン、成都など多くの都市で「夜間スクール」が登場している。

蘇州大学は今月2日、「夜間スクール」設置を発表した。受講生の対象は18-55歳の大人で、その内容は舞踊や声楽、書道、メイクアップ、ヨガ、撮影など多岐にわたっており、「無形文化遺産・烙画(焼き絵)」や「呉文化と蘇州方言」といった教室もある。

無錫市「青年夜間スクール」の収納整理講座(撮影・項靖菊)。

無錫市「青年夜間スクール」の収納整理講座(撮影・項靖菊)。

江蘇省無錫市の「青年夜間スクール」は、「八段錦(太極拳)」や「ジャズダンス」、「メイクアップ」のほか、「PPT活用術」、「ショート動画の使い方の秘訣」などの教室を開設している。

夜間スクールが若者の間で人気となっているのはなぜなのだろうか?「青年夜間スクール」の魅力は、その「公益性」と「クオリティの高さ」だ。

上海市民芸術夜間スクールの場合、1シーズン12回で、学費はわずか500元(1元は約19.9円)と非常にリーズナブルで、クオリティも高い。浙江省杭州市では、多くの文化施設が「青年夜間スクール」を開設しており、コーヒー1杯ほどの価格でハイクオリティの教室に参加できる。湖北省武漢市の青年夜間スクールは2023年11月に開設されて以降、「学費0元で大満足」という教室が若者の間で人気となっている。

受講者にジャンベやギターについて説明する武漢市「青年夜間スクール」の講師。(画像は中国共産主義青年団武漢市委員会が提供)

受講者にジャンベやギターについて説明する武漢市「青年夜間スクール」の講師。(画像は中国共産主義青年団武漢市委員会が提供)

夜間スクールに通うと、若者は生活を充実させ、スキルを磨くことができるほか、友達を作ることもできる。香港特別行政区の青年・劉芷瑋さんは、広州市青年文化宮の青年夜間スクールが「嶺南押し花芸術」教室を開設したことを知ると、すぐに申し込んだという。劉さんは「香港特区の多くの若者は伝統文化に興味を持っている。夜間スクールに通うと、中国大陸部の友達と交流する良い機会にもなる」と話す。また、あるネットユーザーは、「『夜間スクール』に行きたいと思っている若者にとって、人から見たら役に立たないように思えるカリキュラムかもしれないが、実は本人にとっては初めて自分が本当の意味で興味を抱いて学ぶ授業なのだ」との声を寄せている。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年1月4日

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