年末報告書はAIが代筆する時代到来? 1ヶ月6万件取扱う会社も
中国の企業では年末に1年を総括する報告書を提出するというのが恒例となっており、年の瀬を迎えると、その作成に頭を悩ませる人が増える。しかし、人工知能(AI)が急速に発展し、応用が進むにつれて、こうした報告書を楽に作成できるようになっているようだ。
あるショッピングアプリで、「年末報告書AI」や「代筆」といったキーワードを検索すると、関連商品が数多くヒットする。これらの商品の販売数は数千件に上っており、中には1ヶ月当たりの販売数が6万件以上に達している店舗もある。
(イラスト著作権はCFPが所有のため転載禁止)
黄麗媛さんが上級管理者(職)を務める湖北省武漢市のあるテクノロジー企業は、ビッグデータを活用したソフトウェア情報技術サービスに従事しており、企業・事業機関や大型国有企業、高等教育機関、病院などに、特別研究報告書、課題報告書、調査研究報告書などを作成するサービスを提供している。
同社は業務を展開する際、「ChatGPT4.0」や「文心一言」といったAIチャットサービスを活用している。黄さんは取材に対して、「当社は昨年、報告書26万件を納品した。今年は、AIのバックアップもあり、6月末の時点で、17万件を納品した。マンパワーは昨年と比べて10-20%削減できた上、取扱件数は前年同期比で20-30%増加した。少なく見積もっても、今年の納品数は約35%増の約35万件に達するだろう。これにはAIが非常に大きな役割を果たしている」としている。AIは、自然言語処理(NLP)やマシンラーニング技術を通じて、大量のデータや情報を迅速に処理し、構造化・規範化した報告書のテキストを自動生成することができる。また、データを分析・発掘し、データの背後にあるパターンや動向を発見することもできる。
AIがもたらした変化について、黄さんは、「2年前までは、分析や解読をする際、当社が開発したソフトウェアを補助的に使用してきた。これらのソフトが大体どんな結果を提供してくれるか、私たちは事前におおむね予測できた。しかし今年から導入したAIは全く異なり、こちらから質問するだけで回答してくれる。AIには発散的思考があり、考えの道筋と方向性を提供してくれる。例えば、AIに『世界新エネルギー産業発展白書』を作成してもらった場合、非常に包括的な枠組みを迅速に提供してくれる。しかも、その書式やレイアウトまできちんと整えてくれる。以前なら中級のアナリストにしかできなかったことが、初心者レベルのアナリストでもできるようになった」とした。
ただ、黄さんは「AIは万能ではない」と付け加える。例えば、AIが生成したテキストは、広く浅いため、煩雑でそれほど重要ではない事に応用するのに向いている。例えば、1週間の仕事のスケジュールの場合、AIに自分の考えやある程度の要求を伝えておくと、数分で作成してくれる。しかし人間が作成した場合、時間はかかるものの、クライアントやシチュエーション、データなどを総合的に考えて、より具体的な提案をしてくれるため、より実用性に富んでいるという。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年12月11日
注目フォトニュース
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn