中国、水素で走る電動アシスト自転車が続々と登場

人民網日本語版 2023年11月23日08:32

山西省曲沃県出身の陳小龍さん(40)の最近の新たな移動手段は、水素で走る電動アシスト自転車だ。水素を動力に用いた新しいタイプのこの自転車は今、中国で新しいエコな移動手段となっている。新華社が伝えた。

曲沃県の行政中心地にある病院や広場、公園、商業施設の周辺幹線道路の両側には、水素で走るシェア自転車100台が並んでおり、スマホでQRコードをスキャンするだけで利用できるようになっている。

陳さんによると、料金は30分で0.5元(1元は20.7円)、航続距離は70km。「水素電動アシスト自転車は乗るのがとても楽で、全く新しい体験だ」と話す。

雲南省麗江市で行われた水素電動アシスト自転車を体験する公益イベント(8月13日撮影)。画像提供は新華網(撮影・陳俊佳)

雲南省麗江市で行われた水素電動アシスト自転車を体験する公益イベント(8月13日撮影)。画像提供は新華網(撮影・陳俊佳)

水素電動アシスト自転車を開発した永安行科技股份有限公司は、グリーン・低炭素、環境にやさしい商品を主に開発しており、2018年から水素エネルギー産業に参入するようになった。

同社の水素エネルギー市場部の販売ディレクター・王兵氏は、「既に江蘇省常州市や上海・臨港新エリア、麗江市の古城などで、水素電動アシスト自転車を大量に投入している。今後は北京や深セン、武漢などでも展開する計画」と語った。

そして、「当社の自転車は、打撃や燃焼などによる複数の限界テストに合格している。そのため、その安全性を心配する必要はない」とした。

水素エネルギーは既に、将来の中国国家エネルギー体制の一部として組み込まれている。中国国家発展・改革委員会と国家エネルギー局が昨年共同で通達した「水素エネルギー産業発展中・長期計画(2021-35年)」は、「水素エネルギーのクリーン・低炭素というメリットを存分に活かし、エネルギー使用機器やエネルギー消費・汚染物質排出が多い交通や工業といった業界のグリーン・低炭素へのトランスフォーメーションを推進する」としている。

中国の複数の省が水素エネルギー産業関連の政策を続々と打ち出しており、一次市場では、水素エネルギーへの投資が盛り上がりを見せ、水素電動アシスト自転車産業の急発展が推進されている。例えば、江蘇省は「水素電動アシスト自転車汎用技術要求」という地方基準を打ち出し、今年10月22日から実施が始まった。水素エネルギーの研究企業や生産企業11社と検査認証機関がこの基準作りに参加した。

初期段階ではあるものの、多くの業界関係者が水素電動アシスト自転車産業の成長を見込んでいる。水素エネルギーを活用した「ゼロカーボン」物流業界に従事している山西天恒氫能科技有限公司の景志強総経理は、「中国の水素エネルギー産業の発展は既に急成長の段階に入っている。新技術が新たに応用された水素電動アシスト自転車の市場は大いに将来性がある」との見方を示す。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年11月23日

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