「秋うつ」に注意! 精神科受診者が急増中
8月に二十四節気の13番目「立秋」を迎えて以来、北京回竜観病院の精神科を受診する人が約20%増えている。同科の陳紅梅副主任医師は、「秋はうつ病を含む気分障害が多発する時期となる。気分が落ち込みがちになっていないかチェックして、『秋うつ』にならないように注意すべき」と呼び掛けている。北京日報が報じた。
陳氏が診察した30代の女性・王さんは最近、「寝ようとしても眠れない」、「朝早くに目が覚める」、「睡眠の質が悪い」といった症状に悩まされている。睡眠障害のほか、王さんは日に日に気分が落ち込みがちになり、特にどんよりとした曇り空の日になると、思わず涙がこぼれるという。「生活は楽しくなく、仕事も意義が感じられず、何をしてもおもしろくない」と話す王さんは、軽度のうつ病と不安障害という診断が下された。
秋になり、気分が優れないことで一連の症状が発生する健康問題は「秋うつ」と呼ばれている。陳医師は、「以前は、秋が深まった頃が精神科が最も忙しい時期だった。しかし、ここ数年は、前倒しで忙しくなり、立秋を迎えると、受診者が増え始めるようになっている」とし、「秋うつ」の原因について、「秋は冬へと季節が変わり、万物が枯れ、気温が大きく変化する季節で、多くの人が物悲しい気分になる。さらに、年末になると、仕事のストレスも大きくなり、気分が落ち込みやすくなる」と説明する。
物悲しい気分になりがちな秋に、メンタルを安定させる秘訣は?
専門家は、「屋外で活動する時間を増やすといい。晴れの日に、外に出て活動すると、日光を浴びて、ホルモン分泌を調整できるほか、美しい景色を楽しんだり、気分転換をしたりすることもできる」とアドバイスしている。適度に運動量を増やすことも、メンタルを安定させ、ストレスを解消することにつながる。生活や仕事のストレスが大きい場合は、しなければならないことに優先順位をつけたToDoリストを作って、順番に処理していくのもいいだろう。また、「どうしても調子が悪い時は、心の糸が切れてしまわないように、『立ち止まる』ことを覚えなければならない。家族や友人に思いを打ち明け、助けを求めることも覚え、必要に応じて、専門の医療機関を受診した方がいい。また、すでに精神疾患と診断されている人は、特に秋から冬にかけて、自己判断で薬の量を減らしたり、飲むのをやめたりせずに、医師の指示通りに治療を受けるべきだ」とアドバイスしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年10月19日
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