「一帯一路」を縁の下から支える街、アナタはいくつ知っている?
中国が「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブを提起して今年で10周年を迎えた。そこで、中国において「一帯一路」と関係が深く、縁の下から支える街10ヶ所を紹介していこう。
1.合浦県
広西壮(チワン)族自治区の南端に位置する合浦県は、広東省や香港・澳門(マカオ)特別行政区に隣接しているほか、東南アジアにも近く、中国において最も早い時期に対外通商の通関地と海上シルクロードの起点の一つとなった県の行政中心地。すでに2100年以上の歴史を誇る街だ。
夕焼けと街のネオンが「競演」する合浦県海外シルクロード首港景勝地。
合浦漢代文化博物館は、中国において漢(紀元前206-西暦220年)の時代の海上シルクロード文化財を最も多く収蔵している博物館で、5000点以上ある文化財のうち、21点が国家一級文化財に指定されている。
2008年に合浦寮尾で出土したペルシャの陶壺。
2.澄邁県
すでに2000年以上の歴史を誇る澄邁県は、古代において海上輸送の主要ルートであり、海上シルクロードの重要ポイントとなっていた場所でもある。
澄邁県には古い村落や古驛道があるほか、「中国一のコーヒー鎮」と呼ばれている福山鎮もある。福山鎮は1933年にはすでにコーヒー豆の栽培を始めており、海南省で最も早い時期にコーヒーの栽培を始めた地域の一つでもある。福山産のコーヒーに含まれるカフェインの量はわずか1.12%であるため、ヘルシーコーヒーの基準である3%以下を下回っていることで有名だ。ある統計によると、海南島の人口1人当たりのカフェの数は上海を上回っており、コーヒーはすでに現地の人々の生活に溶け込んでいる。
3.徐聞県
広東省徐聞県の徐聞港は、三方が海に面している漢の時代の海上シルクロードの始発港の一つだ。
美しい徐聞港。
徐聞港は海南省と海を隔てて向かい合っている。海南省の90%以上の生産と生活物資は徐聞港を通して輸送されている。徐聞港はすでに、広東省と海南省、ひいては東南アジア諸国と連結する重要な港となっており、「一帯一路」の南に向かうルートのさらなる円滑さを促進している。
また中国のパイナップルと言えば広東省、広東省のパイナップルと言えば徐聞と言われるように、徐聞は中国最大のパイナップルの生産拠点だ。中国のパイナップルの3個に1個は徐聞産。限りなく広い丘陵や山、野原に広がるパイナップル畑の景観は、「パイナップルの海」と呼ばれている。
4.晋江市
海上シルクロードの起点の一つだった福建省晋江市はかつて海上貿易が非常に盛んだった。
晋江・五店市の歴史ある街並み。
世界の運動靴の5足に1足が「晋江製」で、中国の傘の3本に1本が「晋江製」だ。晋江では、半径50キロ以内で、運動靴を研究開発、デザイン、生産するための全ての材料、研究開発チーム、技術者をすぐに見つけることができるほど。同市は「中国の靴の都」、「世界のジャケットの都」などとも呼ばれている。
靴メーカーのスマート製造をバックアップする自動化生産ライン。
統計によると、晋江には民間企業が9万社以上、上場企業が51社あり、その数は中国全土で上位に位置するため、まさに「中国のブランドの都」という名にふさわしい。
5.勐臘県
雲南省西双版納(シーサンパンナ)傣(タイ)族自治州の最南端に位置する勐臘県は、ラオスやミャンマーと隣接しており、昔から南方シルクロードから輸出が行われる時の重要な通関ルートとなってきたほか、中国内陸部とミャンマー、インド、パキスタンなど各国と通じる主要な通商ルートともなってきた。
勐臘は、プーアル茶の原産地の一つであるほか、アジアゾウの生息地でもある。そして、そこには、北緯21度上で唯一の熱帯雨林もある。
磨憨通関地は、中国とラオスを繋ぐ唯一の国家級陸路通関地で、ラオスといった東南アジア諸国と繋がる最も便利な陸上ルートでもある。2021年12月3日、中国ラオス鉄道が開通し、磨憨駅は同鉄道において最大の駅となった。
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