「一帯一路」を縁の下から支える街、アナタはいくつ知っている? (2)
6.永寧県
大ヒットドラマ「山海情~明日に咲く希望の種~」に出てきた農業技術専門家の「凌一農」は、中国国家菌草工程技術研究センターの首席科学者・林占熺氏がモデルとなった。1988年、林氏は寧夏回族自治区銀川市永寧県閩寧村を訪れ、村民が「木の代わりに草」で食用キノコを栽培する「菌草」を通して、ややゆとりのある生活ができるようバックアップした。その後、「菌草」技術は「一帯一路」建設をもバックアップするようになった。
永寧県の風景。
20年以上前、林氏は、パプアニューギニアにおいて、菌草技術の導入に成功した。中国のサポートを忘れないようにと、パプアニューギニアのある省長は、娘の名前を「菌草」を改名し、わざわざ新聞に掲載して公表したほどだ。
林氏を代表とする中国の専門家は、「菌草」技術を100ヶ国以上に伝え、13ヶ国で菌草拠点が立ち上げられた。
7.霍爾果斯市
新疆維吾爾(ウイグル)自治区西部の伊犁哈薩克(イリ・カザフ)自治州に位置する霍爾果斯(コルガス)市は、古代シルクロードの要塞だった。霍爾果斯通関地は今、「一帯一路」陸上ルートの重要ポイントとなっており、ユーラシア大陸において活気を帯びる世界の産業チェーンの「大動脈」となっている。
霍爾果斯市の夜景。
2016年に国際定期貨物列車「中欧班列」が開通して以来、霍爾果斯鉄道通関地を通過した中欧(中央アジア)班列はすでに3万本以上に達している。現時点で、霍爾果斯鉄道通関地を通過する路線は80本に達し、18ヶ国の45都市・地域とつながり、国際物流の陸上運輸の「ゴールデンルート」となっている。
8.徳令哈市
青海省徳令哈(デリンハ)市はかつて、南「シルクロード」の主要な宿場だったことで広く知られているほか、新シルクロード経済ベルト上の重要ポイントにもなっている。また同市には1千年以上の歴史を誇る文明が集結しているほか、太陽光(熱)資源も豊富だ。
徳令哈太陽光(熱)発電所。
徳令哈にはSF映画に登場するような中広核新エネルギー徳令哈太陽光(熱)モデル発電所がある。同発電所は、中国初の商業化太陽エネルギー(光・熱)モデル発電所だ。
また徳令哈にある紫金台天文台(青海)は、良好な天文観測条件が整っており、恒星を観測する国際プロジェクトがここで実施されている。
9.武功県
武功県は、陝西省の行政管轄区域の中でも面積が最小の県で、関中平原の奥地、北緯34度に位置し、年間の日照時間は年間2100時間に達する。キウイの栽培に非常に適しており、それが県域経済を支えている。
倉庫の中でライブ配信するパーソナリティ。
武功県は「西北エリアのECナンバーワン県」と呼ばれており、県民の13.02%がECの仕事に従事している。数年前から、同県では越境ECも盛んになり、ボディバッグがアイスランドに、 ダウンジャケットが米国に輸出されるなど、さまざまな商品が100ヶ国以上に輸出されている。
10.敦煌市
甘粛省敦煌市では、広大な砂漠に一筋の煙が真っ直ぐに立ちのぼり、はるかかなたに流れて行く川のはてに、まん丸の夕陽が落ちるという息を吞むような絶景を見ることができるほか、中国と西洋の文化交流、経済・貿易の往来がそこで盛んに行われてきた。
甘粛省敦煌の鳴沙山。
敦煌文化は、地域的特徴が際立っており、中原文化や仏教文化、西アジア文化、中央アジア文化がそこで交わって「化学反応」を起こし、融合している。「一帯一路」は、敦煌文化に新たなチャンスをもたらし、それが「一帯一路」に文化の下支えを提供するようにもなっている。敦煌は今、国際文化交流の「第一線の陣地」となっているほか、中国が西に向かって開放する重要な窓口となっており、貴重な発展の時期へと突入している。(編集KN)
莫高窟の壁画。
「人民網日本語版」2023年10月18日