中国上半期のリチウム電池輸出額、前年同期比69％増

工業・情報化部（省）がこのほど発表したデータによると、中国のリチウム電池産業は今年上半期に増加傾向を維持した。生産量は前年同期比43％以上増の400GWhを超えていた。リチウム電池業界全体の売上高は6000億元（1元は約20.0円）に達した。中国上半期のリチウム電池製品輸出額は前年同期比69％増となった。証券日報が伝えた。

上海市、福建省、浙江省、広東省など複数の地域はこのほど、今年上半期の「新御三家」（電気自動車、リチウム電池、太陽電池）の輸出データを発表した。そのうちリチウム電池が特に好調だった。福州税関のデータによると、福建省の今年上半期のリチウム電池輸出額は同110.7％増の570億7000万元で、世界の112の国・地域に輸出された。EUやASEANなどの地域では2桁以上の成長率を記録した。上海税関のデータによると、上海通関地の今年上半期のリチウム電池輸出額は同60.9％増の475億元で、上海臨港新エリアのリチウム電池製品輸出額は同250％増の141億3000万元だった。

上海鋼連新エネルギー事業部リチウム産業アナリストの李攀氏は、「中国のリチウム電池産業チェーンは比較的整っており、リチウム鉱石からの精製からリチウム電池の製造に至る各段階をカバーしている。これにより中国のリチウム企業はコスト抑制、品質管理、サプライチェーン協同などの面で高い競争力を持つようになった。中国のリチウム企業はリチウム電池技術の研究開発とイノベーションの面で目立つ進展を遂げた。例えば高エネルギー密度や急速充電などの面でブレイクスルーを達成したことにより、中国のリチウム企業が海外市場で技術的リードの優位性を持つようになった」と述べた。

世界市場のリチウム電池製品への需要が日増しに拡大するにつれ、中国の上場リチウム企業は海外進出のペースも上げている。今年6月末現在で、寧徳時代、蜂巣能源、遠景動力などを含む中国電池メーカー10数社が、海外で積極的に生産能力を展開していた。

巨豊投顧の上級投資コンサルタントである李建傑氏は、「まず、上場リチウム電池企業は海外事業拡大を行い、国内市場の競争の圧力を弱めることができる。次に、海外市場は明るい見通しを持ち、新興市場でより多くの発展チャンスを獲得する可能性がある。最後に、技術とブランドの輸出は、海外市場の取引先とのより良い連携に役立つ」と述べた。

前出の李攀氏は、「一部の国・地域の政府は購入補助や減税など、新エネルギー車及び再生可能エネルギーの発展の支援策を打ち出した。これらの政策はリチウム電池業界の海外事業拡大に積極的な推進力を提供している」と述べた。（編集YF）

「人民網日本語版」2023年8月15日