新型コロナウイルス感染症のパンデミック、ウクライナ危機、インフレの高止まり、エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの混乱など、2023年の世界経済の回復は試練に満ちた道となると見られる。世界経済成長の最大のエンジンである中国は、新たな年においてどのように自らの役割を果たし、世界経済の好転を持続的に後押しするために知恵と力で貢献していくのだろうか。中国新聞網が伝えた。
外交学院戦略・平和研究センター長の蘇浩氏がこのほど、中国新聞網のオンラインインタビューに応じ、2023年の世界経済における中国の重要な役割について詳しく解説した。
■中国は世界経済回復の大黒柱
蘇氏によると、世界経済の成長に対する中国の寄与率は長年にわたり30%前後を維持しており、今後も世界経済回復のエンジンとなっていくと見られる。米国が「デカップリングと産業・サプライチェーンの分断」によって中国経済の弱体化を企てているが、依然として中国は世界の経済回復と製造業の大黒柱であり、引き続き安定化の役割を果たしていくだろう。製造業大国としての中国の地位が短期間に変わることはなく、代替不能なものでもある。その理由として、蘇氏は以下の点を挙げた。
第1に、中国は引き続き西側先進エコノミーとの経済・貿易関係を維持しており、インフレ抑制のために中国製品を必要とする米国には、中国との「デカップリング」は不可能である。
第2に、中国は経済発展の新たな布石を進めている。例えば「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブの拡大、中国と発展途上地域やアラブ世界とのさらなる経済協力関係の構築は、世界経済における中国経済の空間を拡大した。
第3に、完全な産業チェーンを持つ開放型エコノミーである中国が開放経済を制度的に実施し、国際経済システムに融合することは、長期的に世界経済にメリットをもたらす重要な原動力となる。中国輸出入商品交易会(広州交易会)、中国国際サービス貿易交易会、中国国際輸入博覧会、中国国際消費財博覧会などの博覧会外交や、ハイテク産業の対外開放に関する一連のフォーラムは、いずれも「中国を世界に開き、世界を中国に進出させる」ことの実践である。
第4に、中国は統一市場の構築により内需を拡大し、世界市場の重要な側面としての自らの機能と役割を拡大することで、より良く世界に融け込むことを重視している。
蘇氏は、自国の経済が安定している限り、中国は必ずや世界に新たな発展のチャンスをもたらすだろうと指摘する。
また、中国の今後の経済動向について蘇氏が注目するのは、一部の世界経済機関による2023年の中国経済の成長率予測が比較的楽観的であることだ。この点に関して蘇氏は、「一方では、新型コロナ感染症が中国の社会と経済にもたらす打撃は非常に明白であり、今後1年間の中国経済は低成長になると見られ、一定の回復はあるだろうが、その強さはなお観察する必要がある。その一方で、各国が経済回復を刺激するには製造業による支えがある程度必要であり、力強いエコノミーかつ最大の製造業大国である中国は、世界経済の安定に重大かつ積極的な役割を果たすことができる」との見方を示した。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年1月3日