ドイツのショルツ首相が4日に訪中した。双方の公表した日程によると、ショルツ首相の訪問期間は長くないが、「公式訪問」であり、現在の激動する世界情勢の中で、ユーラシア大陸を跨ぐ今回の訪問は大きな注目を浴びている。中国新聞網が伝えた。
■豪華な陣容の「ビジネス界の大物」随行団
フォルクスワーゲン、BMW、シーメンス、アディダス、バイエル、ドイツ銀行。中国国民の良く知るこれらのドイツブランドは、ドイツメディアが先日報道した、ショルツ首相訪中に随行する経済界代表団の顔ぶれでもある。
ドイツ紙「ハンデルスブラット」によると、ドイツ企業上層部12人で構成されるこのビジネス界代表団には、約100人の参加申し込みがあったという。
ショルツ首相は今年10月、グローバル化を揺るぎなく支持し、中国との「デカップリング」に反対する姿勢を鮮明にした。ショルツ首相は、ドイツとEUはより広範で穏健な貿易関係を構築する必要があり、特定の国とデカップリングをしてはならないだけでなく、中国を含む多くの国々、アジア、アフリカ、中南米の新興国と貿易を展開しなければならないとの考えを示した。
ドイツ政府のこうした動きは、対中関係の扱いにおける「冷静さ」と「バランスがとれていること」の表れであるとウォッチャーは指摘する。
復旦大学欧州問題研究センター長の丁純氏は「冷静さとは、対中関係は自らの国益の観点から考えなければならず、デカップリングや敵視がドイツの利益にならないということをドイツが熟知していることを指す。バランスがとれているというのは、たとえ国内外から中国に非友好的な声や対中関係を疑問視する声が上がっても、ドイツの指導者が自律的かつ実務的な対中認識を示していることを指している」と語る。
また、外交学院国際関係研究所の李海東教授は、「安全保障面で米国に依存している欧州は、短期的には戦略的自律性を実現することがかなり難しい。しかし、ショルツ首相の訪中自体は、中国・欧州関係における象徴的な出来事と見ることができるだろう」と分析。「今回の訪中が実現し、経済界代表団を随行したことが、欧州が最も現実的に必要としているのは実務的姿勢に基づく対中関係処理だということをすでに物語っている」と指摘する。
専門家が指摘するように、どの観点から見ても、欧州と中国は深く融合したエコノミーであり、中国と欧州の間には根本的な利害衝突がなく、競争を遥かに上回る協力、溝を遥かに上回る共通認識があると言えるだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年11月4日