長江中流域にある湖北省武漢牧鵝洲水道で10月25日、4年前に沈没した貨物船「二航9566号」がゆっくりと水面に引き揚げられた。長江主流において沈没船の引き揚げ作業が行われたのは、今回が初めてとなる。新華網が報じた。
今年は、「出水期にもかかわらず、水が枯れる」という特殊な水文状況が生じたため、長江中・下流域では、例年より早く乾季に入った。長江水路局は、水域の環境汚染という隠れたリスクと航行の安全に対する脅威を速やかに排除する目的で、貨物船「二航9566」の引き揚げ作業を最優先で実施することを決めた。引き揚げチームは9月8日、1千トン級クレーン船「長天竜」などの船舶や設備を現場に搬入し、沈没船の徹底調査・溜まった砂泥の除去・残油の抽出・船体の切断など各作業を前後して実施した。引き揚げ作業完了後、沈没船の残骸は、牽引されて造船所に運ばれたのち解体される。
長江主流には現在、沈没から1年以上経過した沈没船が70隻あまり残されており、航道の一部を塞いでいる。今回、沈没船「二航9566」の引き揚げ作業が成功したことは、水域の生態環境保護に大いに有益となるほか、中流航道の航行条件も改善される。また、長江主流における今後の沈没船の撤去作業にとって有用な経験が蓄積された。(編集KM)
「人民網日本語版」2022年10月26日