資料写真:北京自然博物館でハシナガチョウザメの標本を見る来館者(撮影・田雨昊)。
国際自然保護連合(IUCN)は北京時間今月21日、絶滅の恐れがある動植物をまとめたレッドリストを更新し、中国・長江の固有種・ハシナガチョウザメが絶滅し、ヨウスコウチョウザメの野生の個体が絶滅したと発表した。世界の26種のチョウザメ類が絶滅の危機にあり、7種のチョウザメの危機ランクが引き上げられた。中国新聞網が伝えた。
ハシナガチョウザメは2003年に、長江・宜賓南渓区間で目撃されたのを最後に、姿を消した。そして、ヨウスコウチョウザメは、種苗放流以外の幼魚が確認されていないため、野生の個体が絶滅したと判断された。この結果は、長江の水生生物多様性保全が大きな挑戦に直面していることを際立たせている。
長江流域には、4300種以上の水生生物が生息・生育しており、うち魚類が400種以上、長江の固有種の魚類は170種以上で、ヨウスコウカワイルカやハシナガチョウザメ、カラチョウザメ、ヨウスコウチョウザメ、スナメリなど12種が中国の国家重点保護水生生物に指定されている。
IUCNのチョウザメ専門家グループに所属する唯一の中国人メンバーで、中国水産科学研究院長江所の研究員・危起偉氏は、ハシナガチョウザメとヨウスコウカワイルカについて、「チョウザメが世界で最も絶滅が危惧されている生物であるが、ハシナガチョウザメが絶滅することは絶対に起きてはならないことだった。ハシナガチョウザメとヨウスコウカワイルカは生態と習性が異なる。前者は長江上流で繁殖し、後者は主に長江中・下流に生息している。しかし、絶滅した時期はほとんど同じ。これは偶然の出来事ではなく、大きな教訓を残した。長江の水生生物に同じ轍を踏ませることがあっては絶対にならない」とした。 (編集KN)
「人民網日本語版」2022年7月22日